本体に取り付けるアタッチメントを発売
予想外だったのは、需要期を過ぎた春以降も売れ行きが鈍化しなかったことだった。トコジラミやダニに代表されるベッドバグ全般への対処や花粉症対策から売れ行きを維持。海外からの引き合いも増えており、搭載されているダニ対策コースが一般財団法人日本環境衛生センターの試験で対策効果があると実証されている。
また現在、別売りのアタッチメントを開発中。今度の秋冬シーズンに布団に香りをつけることができアタッチメントが発売される。温風の吹き出し口に取り付けアロマオイルを垂らして運転をすると布団内がアロマの香りで満たされるようになる。クラウドファンディングでの購入者を対象に実施した調査で約半数が睡眠時に香りを重視していることを受けて開発された。このほかには靴の乾燥に使えるものの開発が検討されているほか、アイデアはいろいろあるという。
布団をアロマの香りで満たしてくれるアタッチメント。今度の秋冬シーズンに向けて発売される予定
取材からわかった『FOEHN 001』のヒット要因3
1.強みを生かした新たな価値を提案
これまでの布団乾燥機は、使えば多幸感が得られるのがわかっていても使うまでが面倒くさいものだった。この課題を解決したのが長年にわたり培ってきた送風技術。強みを最大限発揮して利用の妨げになっていた課題を解決し、簡単に毎日使えるという新しい価値を示した。
2.得られる多幸感のレベルを上げた
長年研究してきた送風技術を元に、従来の布団乾燥機より小型でありながら高風圧・高風速を実現。布団全体を温められ気持ちよく寝ることができ、それまでの布団乾燥機よりもレベルの高い多幸感が得られるようになった。
3生活が変わる期待を抱かせた
簡単かつ直感的に扱えることに加え、従来とは大きく異なるスティック型。高性能で便利なだけではなく布団乾燥機のイメージとは大きくかけ離れたデザインを採用したことで、これを使えば生活がいい方向に変わりQOL(生活の質)向上が期待できると予感させることができた。
2023年は計画の3倍、2024年もすでに計画の半数以上が売れている。金崎氏は「自分たちが思っていた以上に波及率が高いです」と驚きを隠せない。
しかし驚いたのはユーザーの方だろう。コンパクトなので性能もそれなり……と不安に思っても、実際は布団全体を温められるほど高性能。『FOEHN 001』はいい意味でユーザーの期待を裏切っている。
製品情報
https://cado.com/pages/foehn-001
文/大沢裕司