Z世代の新入社員は働く上でどんなことを意識し、また、どんな職場・上司を求め、どんな仕事観を持ち合わせているのだろうか?
リクルートマネジメントソリューションズはこのほど、2024年3~4月に全国で開催した公開型新入社員導入研修受講者741名(調査1)、2024年1~4月に開催したインハウス型新入社員導入研修およびWEB学習プログラム受講者1,775名(調査2)を対象に、「新入社員意識調査2024」を実施し、その調査結果を発表した。
働くうえでの意識
「働くうえで大切にしたいこと」について尋ねたところ、「社会人としてのルール・マナーを身につけること」がトップとなり、「任せられた仕事を確実に進めること」(39.4%)、「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」(31.0%)が過去の調査結果と比較して最高値となった。他方、「何があってもあきらめずにやりきること」(13.8%)は過去最低値となった。
⇒2019年の調査以降「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」は連続1位だったが、6年ぶりに「社会人としてのルール・マナーを身につけること」が1位となった。完全なるコロナ禍明けの時期になり、出社での仕事や対面コミュニケーションへの回帰が起こったことで、マナーを求められる場面を想起することが増えたことが影響していると考えられる。
⇒注目すべきは、「任せられた仕事を確実に進めること」「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」という一見相反する2つの項目が、調査以来、最高値になった点である。この2つの項目を選択した対象者の回答傾向を見たところ、両方ではなくいずれかを選択している割合が高く、「確実性」を大事にする層と、「挑戦性」を大事にする層との二極化の傾向がうかがえた。
「任せられたことを確実に進めること」は例年高い選択率であり、昨今の新人・若手社員の特徴である失敗への不安や恐れから、調べてもわからないことや経験していないことに対しては、確実な動き方を求める意識は強いと考えられる。
他方、インターネットやSNS上で、企業でのインターンシップや起業・副業の情報に触れる機会も増え、早い段階から社会人経験や仕事経験を積む層も出てきており、挑戦がより身近になってきていると考えられる。
また、様々な情報が手に入る環境に身を置いているため、うまくいかないやり方や自分自身にフィットしないやり方を続けてやりきるよりも、他の選択肢を調べて・見つけることが当たり前の感覚は強まっており「何があってもあきらめずにやりきること」の選択率は低くなっていると考えられる。
図表1働くうえで大切にしたいこと(調査1)
Q:あなたが社会人として働いていくうえで大切にしたいことは何ですか?
「新入社員時代に身につけるべきこと」について尋ねたところ、「社会人としての基本行動」(52.3%)がトップとなり、「会社の理念や価値観に沿った行動」(0.7%)が最下位となった。
図表2身につけるべきこと(調査2)
Q:新入社員時代に身につけるべきことの中で、特に重要だとあなたが考えるものを1つ選んでください。
「仕事・職場生活をするうえでの不安」について尋ねたところ、トップ2は、「仕事についていけるか」(65.0%)、「上司とうまくやっていけるか」(45.9%)となった。一方、最下位は「雇用が継続されるか」(3.2%)となった。
図表3仕事・職場生活をするうえでの不安(調査2)
Q:あなたが仕事・職場生活をするうえで不安に思っていることは何ですか?最大3つまで選んでください。