小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

ミニマムサイズが逆に可愛い!古墳王子も激萌えするホタテ貝みたいな古墳とは?

2024.07.07

帆立貝式古墳パラダイス!いろんなホタテちゃんに会える志段味古墳群とは?

 各地にいくつか存在する帆立貝式古墳は、自然のまま残っているものもあれば整備されているもの、古墳時代当時の姿に復元されているものなどその様子は自治体によって様々。

そんななか集中的に帆立貝式古墳が集まり、しかもいろんな姿を見せてくれる夢のような場所が愛知県の名古屋市にあるのです!

戦国時代の三英傑を輩出した愛知県は、名古屋城や長久手古戦場など中世の歴史や遺跡が多く目立ちますが、実は縄文時代からなかなかに人が集まる土壌の持ち主。

西国と東国を結ぶ中継地としての地の利を生かした海運が栄えた場所でもあり、特に伊勢湾から庄内川、そこから岐阜や長野・群馬に抜けるルートは古墳時代のヤマト王権からみてかなり押さえておきたい重要拠点の一つでもありました。

そんな庄内川流域の志段味地区には4世紀前半から7世紀にかけて大小様々な古墳がおよそ70基も築かれており、その形もさまざまバラエティに富んだ古墳群を形成しています。

ところがこの志段味古墳群は長らく人々から忘れ去られ、地元の方のみぞ知る古墳群としてひっそり守られていたのですが……。

時は平成。あるひとりの文化財職員の先生が志段味古墳群の歴史的価値に着目し、その整備保存を進めるべく国指定史跡を目指して立ち上がったのです!

 佐賀大学准教授 藤井康隆先生(元名古屋市文化財保護課職員)

志段味古墳群は個人の私有地から県の所有地に至るまで、その土地の管理者は多岐にわたり、各所への根回しやご理解、協力を仰ぐなど官民を超えた共同体制が必要で、その道のりはさぞかし大変なことだったと思う。

しかし諦めなかった先生の熱意と皆さんの努力のおかげで平成26年に国史跡に指定され、その5年後の平成31年にはガイダンス施設『しだみ古墳ミュージアム』が開館し、大きな史跡公園として広くみんなに愛される場所となりました。

そんな志段味古墳群では、まさにホタテちゃんのフルコースと言っても過言ではないぐらい様々な形に整備された帆立貝式古墳に出会うことができます。

志段味古墳群(愛知県名古屋市)

古墳時代を彷彿とさせる葺石がびっしり、造出しには可愛い水鳥や鶏の埴輪も並ぶ志段味大塚古墳をはじめ、モコモコからぺっちゃんこ墳、神社古墳まで四者四様の帆立貝式古墳を見比べたり、他にも円墳・方墳・前方後円墳など見て触って登れる古墳を多数取り揃えております。

展示室を備えたガイダンス施設『しだみ古墳群ミュージアム』にはカフェやミュージアムショップ、図書コーナーにキッズコーナーもあって大人から子どもまで楽しめる工夫がいっぱいです。

最近じわじわ話題の御墳印もこちらで。

しだみ古墳群ミュージアム(愛知県名古屋市)

奈良や三重、群馬に埼玉、岡山と、帆立貝式古墳のネットワークのごとくその輪が続々と広がってきた御墳印ですが、実はその発祥はここ志段味古墳!

コロナ渦の折、緊急事態宣言や外出自粛の日々が長引く名古屋市で、人が密にならない場所として古墳群をたくさんの人に知ってもらいたいと職員さんたちが話し合うなかで生まれた御墳印というアイデア!

最初に口に出したのは服部哲也先生で、ちょうど同じ頃に御墳印のアイデアをひらめいた関西の先生方が大変悔しがったとか!?

もともとは写経を納めた証として神社仏閣から授けられるのが御朱印で、とても神聖なありがたいものですが、我々考古学界隈も、その遺跡を自分の足で訪ねた証として皆さんにコレクションしていただけたらと願い、各地でそれぞれ工夫を凝らした御墳印をご用意しております。

他にも日本最大級の帆立貝式古墳として奈良県の乙女山古墳や多彩な副葬品で有名なホケノ山古墳、直弧文という複雑な文様が描かれた石障(仕切り板)をもつ岡山県の千足古墳などご紹介したい古墳はいっぱいありますが、今回はこのへんで。

ぜひ皆さんがお住まいの地域にも帆立貝式古墳があるか調べてみていただけると嬉しいです!

古墳マニアの高校生が解説!Google Mapsの航空写真で楽しむ前方後円墳の魅力

【古墳王子の早口コラム】 はじめまして、小学生の頃から古墳の魅力に目覚め、訪ねた古墳は3000基以上の高校生、古墳王子です。 このコラムでは皆さんにディープでマ...

縄文の摩訶不思議な美と魅力の秘密とは?古墳時代よりもっともっと昔のはなし

【古墳王子の早口コラム】 こんにちは、小学生の頃から古墳の魅力に目覚め、訪ねた古墳は3000基以上の高校生、古墳王子です。 このコラムでは皆さんにディープでマニ...

文/古墳王子

愛知県在住の現役高校生。小学4年生で古墳の魅力に目覚め、西は鹿児島から東は宮城まで延べ3000基以上の古墳を巡りSNSで情報発信中。古墳だけでなく縄文や弥生時代にも目を向け、日々各地の博物館に出没し先史古代の珍しい逸品を探しています。

X(旧Twitter):https://twitter.com/kotetu2019
Instagram:https://instagram.com/kofun_ouji/

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。