食に対する意識の変革や腸内環境の改善が脳疲労を回避する
「PCを見ながらの食事や、苦手な相手とのビジネスランチは最悪の食べ方。本来、副交感神経を優位にすべき食事中に交感神経が働いてしまい、ストレスに対抗できない状態に陥ります。好きなものを我慢する、食べる量を制限するなど、ストレスフルな食事もNG。制限を過度に強いる食事は、仕事のパフォーマンスを著しく落とすだけではなく、定年後の健康にも悪影響を与えます」
また、やる気が出ない、風邪をひきやすい人は腸内環境を見つめ直したほうがいい。
「腸と脳は密接な関係にあります。おなかの調子が悪いとやる気は出ないし、メンタルも落ちてネガティブな思考に陥りがち。3食を定期的に食べることでエネルギー補給→消化→出すといった循環が整い、腸内環境が改善。腸内が健康になると、睡眠の質をよくするホルモン・メラトニンを生成しやすくなるため、メンタル改善に貢献します」
では、疲労を感じない食生活はどう実践すればいいのか?
「脳や身体のエネルギーとなり、麺やパンよりもそしゃくを促せるごはん(米)を中心に、ごはん+みそ汁+おかずという昔ながらのシンプルな和食を習慣化しましょう。
疲れない食事のポイントはごはんをしっかり食べ、おかずを食べ過ぎないこと。日本人は体質的に脂質やたんぱく質の消化に時間がかかってしまうが、ごはんは日本人の身体と相性のいい理想的な食材なのだ。
「そして食事の時間をゆっくり楽しんでください。ごはんは大盛りにしてもいいし、お酒を飲んでもOK。おかずも好きなものを選んでおいしく味わって」
難しいことは一切なし。シンプルだからこそ続けやすい〝脳も身体も疲れにくい食事法〟を次ページで解説する。
取材・文/嶺月香里 撮影/水野谷維城 イラスト/岡田 丈