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「毅然(きぜん)とした」という表現は、何となく勇ましい様子をイメージする人が多いのではないでしょうか?
ビジネスシーンでは「毅然とした態度」「毅然たる対応」といった言い回しが定番ですが、正しく意味を理解していないと誤用しやすい表現でもあります。
本記事では「毅然とした」の正しい意味と使い方をご紹介します。また、「毅然とした」と似た意味を持った類語も解説するため、表現のバリエーションを増やしたい方もぜひ参考にしてください。
「毅然とした」の意味とは
「毅然とした」の意味は、意志が強い態度を意味します。「毅然とした態度の人」と聞くと、しっかりしていて仕事ができそうな人というイメージを持つ人もいます。
しかし、実際は動じないような様子の意味であり、有能というニュアンスは含んでいません。
「意志が強くしっかりしていて、物事に動じないさま。」 引用:デジタル大辞泉(小学館) |
周囲に流されずに、しっかりと芯がある人や行動に対して使うフレーズであり、いざというトラブルでも慌てずに必要な対応をとれる人にも「毅然とした態度」と表現することがあります。
「毅然とした」の使い方
■使い方
「毅然とした」という表現は、主に態度や行動に使うケースが多くあります。
第三者を表す時の表現として使うほか、自分自身の精神状態を表す時にも「毅然とした態度をとりたい」と表現できます。
たとえ周りから反対されても、自分が正しいと思うのなら突き進む必要がある場面もあります。そのような状況でも意見を曲げず、しっかりと信念をつらぬいている姿を「毅然としている」と表すのです。
■ 例文
・「Aさんは誰に何を言われても毅然とした態度を失わない」
・「毅然たる態度をとることで理不尽なクレームを跳ね除ける」
・「対等な関係を築くためにも毅然とした態度が求められる場面だ」
「毅然とした」の類義語・言い換え表現
「毅然とした」態度と似た意味を持った表現を使い分けると、さらに状況や決意の様子が伝わりやすくなります。
意志の強さを表現できる、類義語や言い換えをもとに今の状況に合った言葉を選びましょう。
■ 「断然とした態度」
「断然(だんぜん)」とは、態度がきっぱりとしていて周囲の意見に流されない様子を意味します。
周りから反対されても、それを押し切って実行する強い意志と行動力を表しています。「断然とした態度で改革に挑む」といった、完全に気持ちを固めた状態を表現できる言い換えです。
■「どっしりとした態度」
「どっしりとした態度」は、足がぐらつくことなく安定している様子を意味した言葉です。安定感があり何かがぶつかっても地面が揺れても決して倒れないような姿をイメージしています。
「何が起きてもどっしりとした態度で構えている」など、まるで相撲をとる前の力士のような力強さが感じられる言い換え表現です。
■「決然とした態度」
「決然(けつぜん)とした態度」は、すでに決心している様子に使う表現です。強い意志を見せるだけでなく、自分の中で答えが出ている状況を伝えられる表現です。
また、清水の舞台から飛び降りるような、思い切った決断をした時にも使う言い回しです。