ユーグレナ社のスキンケアブランド「NEcCO」がめざす人と地球を健康にするリアルビューティ

高濃度な成分がサステナビリティを実現

成分の面では、従来の2種のユーグレナエキスに加えて、新たにユーグレナ発酵オイルとミドリ麹エキスを研究開発。4種のユーグレナと発酵美肌成分を“高濃度”で配合し、根っこという名のとおり、肌を土台から整える。

「この高濃度というのが、実は大きなポイントでもあります。美容成分を角層のすみずみにまで届けるだけでなく、サステナビリティに配慮するためにも、成分が高濃度である必要があるんです」（植村弘子さん）

「NEcCO」は、ユーグレナ社のバイオテクノロジーと「Sustainability First（サステナビリティ・ファースト）」というフィロソフィーを体現したブランドであることは先程も述べたとおりだが、人にも地球にも優しくあるために、なぜ、成分が高濃度でなくてはならないのか。そこにはこんな理由がある。

「『NEcCO』はパラベン、石油系界面活性剤、鉱物油、アルコール、合成着色料、合成香料はすべて無添加。自然素材成分を生かした処方となっています。そのため、いずれのアイテムも、フレッシュなまま気持ちよく使い切れる約1カ月分のサイズで提供することにしました。加えて、プラスチック削減と輸送によるCO2排出量の削減を目指すならば、できるだけコンパクトな容器にするのがベストです。そこで私たちは、美容成分をたっぷり配合し、中身をぎゅっと高濃度にすることで、容量はそのままに、ボトル容器の重量を当社の従来品よりも約90％カットすることに成功しました」（植村弘子さん）

たしかに、「NEcCO」のアイテムはどれもサイズが小さく、「本当に1か月分足りるの？」と疑ってしまいたくなるほど。

「そういうお声はよくいただきます（笑）。有効成分を自社従来品の150～200％の濃度で配合し、容器は印象を高めるための肉厚樹脂ボトルと上げ底をやめることで、見た目は小さいけれど容量はしっかりと入っているアイテムを実現しました」（植村弘子さん）

中身が減ってきたら、キャップを下にして逆さに置いておけば、最後の1滴まで心地よく使えるように設計されているのもポイントだ。持ち運びやすく、愛用者からは「かさばらず、このまま旅行に持っていけるのが便利」という反響も。

現代人に必要な安らぎを香りで届ける

成分やパッケージに加えて、こだわったのが香りだ。芳香療法の考えに着目し、心地よい香りに包まれながら肌をケアできるようにデザイン。中身をてのひらに取って香りを深く吸い込むと、オレンジやベルガモットの甘く爽やかで心を解き放つようなトップノートに始まり、覚醒（ユーカリ、ミントなど）、調整（ゼラニウム、ラベンダーなど）、循環（フランキンセンス、シダーウッドなど）のステップで変化していく。

「仕事に加えて家事、子育て、介護などで忙しく、毎日へとへとに疲れ果てているビジネスパーソンは多いですよね。周りの人たちを見ていても、また私自身を振り返っても、リラックスする瞬間が足りていないんじゃないかな、と思います。本当ならば、夜寝る前にバスタブに浸かりながらアロマキャンドルを焚くようなおしゃれな暮らしを楽しみたいところだけれど、『そんな余裕なんてない！』というのが、ほとんどの人の本音ではないでしょうか」（植村弘子さん）

毎日のスキンケアの時間に天然製油の香りに包まれた瞬間、心がほっと安らぐ。その一瞬だけでも届けられたら、という優しい願いが「NEcCO」には込められている。

「NEcCO」の特徴を探っていくと、「根っこ」という名前の由来のとおり、地に足のついた信頼できるブランドであることがよくわかる。多忙なビジネスパーソンのゆらぎやすい心と肌をサポートすると同時に、サステナブルであることも忘れない、現代のリアルに即したスキンケアと言えるだろう。

取材・文／志村香織