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ロータス「エミーラ V6 ファーストエディション」が魅せる〝エンジンの世紀〟のノスタルジー

2024.06.29

エミーラが見せてくれる新世代への道筋

エンジンの世紀をスポーツカーの代表的ブランドとして駆け抜けてきたロータスが新時代への橋渡し役として開発した最新のエンジン車が「エミーラ」。イエローのペイントを纏ったボディ、その佇まいを見てまずは安心した。エキゾチックなスーパーカールックは確実に人目を引くだろう。細部に目をやれば、大幅なダウンフォースの発生させるようなパーツがしっかりと奢られていて、素直にすべてがかっこいい。

さっそく「エミーラV6ファーストエディション」に乗り込む。路面に手が届くほどのドライビングポジションはまごうことなきスーパースポーツだけの風景だ。後ろを振り向けば背後にはトヨタの遺伝子を受け継いだ3.5Lのスーパーチャージャー付きV型6気筒エンジン。その出力は405馬力で、十分に強烈なスペックだ。ちなみにこのエンジンの他にもエミーラには「メルセデスAMG A45」の365馬力、4気筒ターボエンジンと8速デュアルクラッチミッションを組み合わせた仕様もあり、価格は1661万円。

さっそくエンジンをスタートさせると思いの外、エンジン音はジェントリー。一呼吸置いて6速マニュアルミッションの1速にシフトして走り出す。まったく神経質な素振りも見せず、スッと走り出す。ここまでは何もかもが平穏で過激な素振りは見えない。

しかし徐々に速度を上げ、街角を回り、中速コーナーを駆け抜けると、ミッドシップミドエンジンスポーツカーらしく、ドライバーを中心にしてクルマの鼻先の方向が決まる心地いい感覚が全身に伝わってくる。もちろん前後のダブルウイッシュボーンサスペンションがワインディングで威力を発揮し、バターの表面を温めたナイフで切り込むような気持ち良さを伴って路面をなぞっていく感覚は快感そのもの。ロータスの特徴であるダイナミックなコーナリング性能はまったく失われていない。

1.4t少々というボディは「できればもう少し軽かったら」と、思いつつも、それでもモーターを使った電動車の力任せの走りとは違った、軽やかさを実現してくれる。なにより慣性重量が軽いと言うことは車の挙動でプラスに働く。加速も軽々、コーナリングはより安定し、ブレーキングもペダルタッチは抜群でスッと速度を制御可能だ。最近、重量級のBEVに乗る機会が増えたが、この軽々とした感覚を味わうと「軽さは正義」という車の本質について改めて考えさせられた。

この軽快感をサポートしてくれるのは、コクコクと心地よく決まっていく操作感の6速マニュアルミッションだ。モーターのシームレスな加速感にはない味わいシフトフィール。ノスタルジーと言われるだろうが、そこにはドライバーにとっての心地よい操作感が確実に存在していた。ロータス伝統の走りは、新世代モデル、エミーラにしっかりと継承されていたのだ。

そんな走りを楽しんだ後、エミーラのコンセプトのひとつ「これまでのどのモデルよりも日常的な使用に適している」という要件を思い出した。確かに走りだけに徹した車はもはや“前時代的”と言われるかもしれない。走りに快感とは別に、常に付き合う車としての気持ち良さを求める人は多いはずだ。その点においてもシート後方には208L、エンジンの後方には、ロータスには珍しいほど広めの151L、合わせて359Lの荷室スペースが用意されている。カップルでの一泊ドライブにも十分な実用性を備えているわけだ。

ひょっとするとこの日常生活にも寄り添ってくれる実用性とアグレッシブな走りの融合こそが、新世代のロータスらしさにとって重要な要素なのかもしれない。エミーラによってスーパースポーツカーのある新世代の生活を明確に見せ、そしてより時代性を持ったBEVモデル「エレトレ」などの電動モデルへと繋げていく。そんな流れが見えてきたわけだが、最後にエクスキューズをひとつ。実は「エミーラV6ファーストエディション」と「エミーラファーストエディション」は、新規オーダー受付を終了。「在庫車両については販売店へお問い合わせください」となっている。

エキゾチックなスーパーカールック。効率的なエアロダイナミクスを実現するため、細部には、大幅なダウンフォースの発生するパーツ類を装備。

シンプルな操作感と瞬時に情報収集が可能なインパネ。センター部分にツインカップフォルダー、グローブボックス、小物トレイなど高い快適性と実用性を実現する装備が多くある。

ほどよいタイト感を伴いながらロングドライブも快適にこなせるステッチが入ったブラックアルカンタラのシート。

アクセル操作に忠実に反応するトヨタ由来のV6エンジン。熟成が進み、エミーラにふさわしいパフォーマンスを実現。

心地よくシフトが決まるマニュアルミッション(6速)は、電動車の加速フィールとは違う味わい。

大きく開くリアゲート。スーパースポーツでも実用性高く過ごせるように使い勝手を実現。

英国ブランドKEFのプレミアム10チャンネルオーディオ(出力340W)を装備。スマートフォンとの接続(Blutooth or USB)により利用可能。

【ロータス・エミーラV6ファーストエディション)

(スペック)
全長×全幅×全高=4,413×1,895×1,226mm
最小回転半径:未公表
最低地上高:125mm(前)/148mm(後ろ)
車重:1,405kg
トランスミッション:6速MT
駆動方式:MR(ミッドシップ)
エンジン:V型66気筒DOHC + スーパーチャージャー
排気量:3,456cc
最高出力:298kW(405PS)/6,800rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgf/m)/2,700 -6,700rpm(MT車)
WLTCモード燃費:未公表
車両本体価格:¥15,730,000(税込み)

問い合わせ先:エルシーアイ

TEXT:佐藤篤司
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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