働くパパ・ママにとって、子育てと仕事をいかに両立させていくかは共通する課題だろう。両立のためには企業のサポートも必要不可欠だが、実際に、子どもがいる人たちからはどんな福利厚生が求められているのだろうか?
ユニークピースが運営する、ママがもっと輝きながら働くための調査研究機関「ママアイ ラボ」はこのほど、子どもがいる18~69歳の男女149名を対象に、「企業が導入するべきだと考える新たな福利厚生制度」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
1.企業に導入してほしい新たな福利厚生制度1位は「休暇制度」
回答者が考える“企業が導入してほしい新たな福利厚生制度”について、自由記述方式で調査を実施したところ、「休暇制度」に関する回答が、全体の5割以上となる53.8%となった。次いで、「諸手当・助成制度」が21.2%、「働き方に関する制度」が5.8%という結果になった。2人にひとり以上が、休暇制度の充実を企業に求めていることがわかった。
また、「法定休暇以外の休暇制度」が整備されていない企業への就業を希望するか聞くと、「就業を希望する」は23.5%にとどまり、43.6%が「就業を希望しない」と回答する結果となった。
2.「有給休暇」申請期日の「理想」と「現実」でギャップが浮き彫りに。回答者の多くが子どもが急病になった際の「有給休暇以外の休暇制度」を要望
有給申請について実態の把握と、理想との乖離を分析するため、有給休暇や看護休暇などの制度について複数の質問を実施。就業中または、前職で就業していた人で、有給休暇を取得するために、何日前の申請が必要か、また何日前の申請期日が理想か聞くと、「当日申請」を理想とする回答は34.9%であるのに対して、現実は「当日申請」が21.5%と、13ポイントのギャップがあった。
また、「前日申請」を理想とする回答は21.3%であるのに対して、現実は「前日申請」が12.1%と、9ポイントのギャップがあり、当日や前日申請を希望する人の割合が高いことから、比較的「短い申請期間でも有給を取得」できる柔軟性が企業に求められていることがうかがえる。
加えて、子育てと仕事を両立するために、法定休暇以外にどのような休暇制度を希望するか調査すると、「特に幼少期には突発的な体調不良が多く、子どもが急病になった際に、有給休暇ではなく、別の休暇制度があるといい。」、「子どもが複数人いると体調不良で有給を使わざるを得ないため、有給日数が足りず学校行事や、自分のためのリフレッシュや自己研鑽のための有給が使用できない。」などの声があり、多くが子どもが急病になった際の「有給休暇以外の休暇制度」を要望していることがわかった。
3.全体の半数以上(51.7%)は子どもができても仕事を「継続したい」
子どもができても仕事を継続したいか聞くと、全体の半数以上となる51.7%が「継続していきたい」と回答した。多くの人が「キャリアの継続」と「子育てと仕事の両立」を希望している傾向にあることがうかがえる。
また、職場に復帰できる支援制度が必要か聞くと、全体の45.6%が、「復職支援制度が必要」と回答した。
復職支援は自身のキャリアパスを継続でき、すでに取得したスキルや経験を再度活用できるため、企業にとっても即戦力としての活躍が期待できる制度として必要性が高まっていると考えられる。
4.全体の約4割が「子ども手当制度」が必要と回答。企業による「子ども手当」の希望額は「5,000‐10,000円」が3割以上(34.9%)と最多に
企業から「子ども手当」として現金支給が必要と感じるか聞くと、約4割となる38.9%が必要と回答した。 一方で、「必要ではあるが、世間一般的な制度が構築されていない。」、「独身の社員も多いためその人たちの手前『抵抗感』がある。」など、子どもがいない、子育てを終えた従業員に対して不公平感が生じる可能性を懸念する声もあり、必要とは感じながら、支給への課題の声も聞こえた。
また、「子ども手当」制度について、各家庭子ども一人あたりどの程度手当が必要だと考えるか聞くと、「5,000‐10,000円」が34.9%、次いで「10,000‐15,000円」が21.5%と、「5,000-15,000円」が半数以上を占める結果となった。
<調査概要>
調査期間:2024年4月19日~5月10日
調査テーマ:企業が導入するべきだと考える新たな福利厚生制度に関する意識調査
調査対象者:18~69歳の男女149名
調査方法:インターネット調査
出典:ママアイ ラボ
構成/こじへい