禁断のレシピを公開
では材料。あ、夏なんで、夏らしく今回は屋外で撮影いたしました。
じゃ作り方……ハッキリ書いとくが「作り方」と言うほどの作り方じゃないぞ。
↑小鉢などに、一食分のインスタント麺の三分の一の砕いていれる。
↑梅肉を写真の量くらい入れる。この量はテキトーでいい。理由は後で書きます。
↑スプーンかなんかで、砕いた麺と梅肉を混ぜて完成。赤子でも作れます。
作り方で、梅肉の量を「テキトーでいい」と書いたのは、味見してみて味が薄いと感じたら梅肉を追加すればいいし、味が濃すぎるっつうか酸っぱすぎるなんて時は、麺を追加すりゃいいだけのことですんで。
さぁつまんで食ってみてください! どうです? うまくもなんともないでしょ? しかし、そのうまくもなんともない味を打ち消すために、おのずと酒が飲みたくなる。で、酒でこのうまくもなんともない口中の味わいが消えると、なぜかこのインスタント麺の油で揚げてから乾燥させたことで生まれるジャンクな風味と梅肉の酸味のマッチしてるんだがしてないんだかわからないハーモニーを欲している自分がいる。
そしてツマミがうまくない分、そのうまくなさを打ち消す酒のうまさが逆に際立つ! この珍妙なシステム。
うまい酒にはうまい料理。人類が長いこと培ってきた、この食の常識を根底から覆すようなバカな理論! そしてそのバカな理論が変にクセにある。
甘いモノを喰うと、しょっぱいモノが食べたくなるってのがありますが、それと同じで、うまくないモノを喰うと、うまいモノを欲するのか人間は?
『未来のレモンサワー』が缶のレモンサワーとして完成した味だからこそ、あえてこのうまくないツマミで、その見事な味を堪能していただきたい! もしかすると、この理論こそが『未来の酒とツマミの関係性』かもしれない。ま、いつやってくる未来かわかりませんが。
ちなみに、あまりにもまずすぎてオレの口に『梅砂利』は合わないという方も、多々いらっしゃるでしょう。そこを無理して喰い続けると、いつかはクセになるだけど、オレはそんなバカもことはしたくないという方。試しに作った分だけでも食べられるようにしてくれと懇願しているアナタ。他に調味料など買ってくる必要なしで、『梅砂利』を若干だけおいしくする方法があります。
↑袋麺についてくる粉末スープをちょっとだけかける。いわゆるチキンラーメンのそのままポリポリ喰いに近い味になります……でもそれだと未来じゃないんだよな~。
挑戦し苦闘した先にこそ未来はある!
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。