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会社員にとって休日は、好きなことをしたり、リフレッシュをするためにも大切なものと考えられる。この休日の中でも会社員であれば、「公休日」という言葉を聞いたことがあるだろう。
しかし、公休日とはどのような休日で、他の休暇制度や休日とは何が違うのかをわからない会社員がほとんどかもしれない。本記事では、公休日とはどのような休日なのかや、祝日や有給休暇との違い、公的保険制度との関連について解説していく。
公休日とは
会社員の休日には、土日を休日と定めている会社であれば土曜日、日曜日の休日、祝日、年次有給休暇、夏季休暇や年末年始休暇などがある。
公休日という言葉は、このような休日のどれに該当するのだろうか。ここでは、公休日の意味や公休日の概要について解説していく。
■公休日の意味
公休日とは、会社が定めた労働義務のない休日のことをいう。
また、公休日は、会社が公式に休日として就業規則に定めている日のことである。
公休日は英語で「Public Holiday」といい、「Public」は「一般」や「公共」という意味があり、「Holiday」は、「休日」や「休み」という意味だ。
■公休日の概要
労働基準法では、使用者は労働者に少なくとも週1日以上または4週間を通じて4日間の休日を与えなければならないと定められている。
この必ず与えなければならない休日のことを、法定休日といい、週1日を法定休日として就業規則に定めている会社が多い。
そのため、就業規則に記載されている公休日が法定休日の日数より少ない場合は、労働基準法違反になるため、おかしいと考えた方がよいだろう。また、多くの会社では週休2日制を導入しているため、週1日を法定休日として、週1日を法定外休日として就業規則に定めている。
この就業規則に定められた週休2日の休日の他に、会社が独自に設定して就業規則に定めた休日のことを公休日と呼んでいるのだ。
公休日と有給・公休扱いの違い
従業員に与えられた休日や休暇にはいろいろな種類があり、公休日とは意味が違う休日や休暇がある。
ここでは、公休日と年次有給休暇、欠勤、特別休暇、公休扱いとの違いについて解説していく。
■公休日と有給の違い
公休日を有給にするか無給にするかは会社の自由だが、基本的に公休日は無給としている会社がほとんどである。
年次有給休暇とは、労働基準法に定められた6か月以上同じ会社に勤続して、全労働日の8割以上出社した従業員に対して所定日数の休暇が与えられる制度のことだ。
公休日は就業規則に定められたあらかじめ決められた原則無給の休日なのに対して、年次有給休暇は原則従業員が自由に休暇日を決められる有給の休日であることに違いがある
■公休日と欠勤の違い
欠勤とは、体調不良、怪我、寝坊などで労働義務がある日に休むことをいう。一方、公休日とは、会社が定めた労働義務のない休日のことだ。
そのため、公休日と欠勤は、労働義務のある日に休むのか、労働義務のない日に休むのかの違いがある。
■公休日と特別休暇の違い
特別休暇とは、会社が福利厚生の目的やその他独自に設定している休暇のことをいう。
特別休暇の例として、慶弔休暇、リフレッシュ休暇、結婚休暇などがあげられる。
公休日は会社が定めた休日であり休むために特別な条件がないのに対し、特別休暇はあらかじめ決められた休暇条件を満たすことが必要で、公休や法定休暇とは別に取得が可能だ。
■公休日と公休扱いの違い
公休扱いとは、労働義務のある日に休んだ場合であっても欠勤扱いにならない休みのことだ。
体調不良、怪我、寝坊などで労働義務のある日に休んだ場合は通常では欠勤になるが、労働義務のある日に休んだ場合であっても親族の葬儀や結婚式などの場合は公休扱いとなる。
ただし、このような場合は公休扱いになり欠勤にならないだけで、労働義務のない日の休日である公休とは違うものである。
会社によって定義が異なる場合があるため、具体的な適用は各社の規定を確認しよう。
公休日と保険制度
日本の公的保険制度では、病気や怪我などのリスクや出産時などに給付を行っている。この公的保険制度の給付と公休日とは、大きな関わりがあるのだ。
ここでは、公休日と健康保険の傷病手当金、健康保険の出産手当金、労災保険の休業補償給付との関わりについて解説していく。
■健康保険の傷病手当金
傷病手当金とは、業務外の病気や怪我で会社を休んだ日が連続して3日間あった場合に、4日目以降に休んだ日に対して支給される健康保険の給付のことだ。傷病手当金は、同一の病気や怪我について最長1年6か月間支給される。
ただし、事業主から傷病手当金よりも金額が大きい報酬を受けた場合は、傷病手当金は支給されない。この傷病手当金の支給期間、支給日数は、出勤日ベースではなく暦日ベースで算出される。
すなわち、支給期間、支給日数は、公休日を含んだ暦日で計算されるのだ。
■健康保険の出産手当金
出産手当金とは、従業員が出産のため休職する際に支給される健康保険の給付のことだ。出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までで、会社を休んで報酬の支払いがなかった期間支給される。
出産手当金は、公休日も支給されるかされないかはケースごとに対応が分かれるため注意が必要だ。出産以前42日間完全に休業していて報酬が支払われていない場合は、公休日についても出産手当金の支給がある。
一方、出産以前42日間は平日のみの勤務で公休日を休んでいた場合は、公休日については出産手当金は支給されない。
■労災保険の休業(補償)給付
休業補償給付とは、勤務中の怪我や病気のため休業し、給料が支給されなかった場合の労災保険の給付である。また、休業給付とは、通勤中の怪我や病気のため休業し、給料が支給されなかった場合の労災保険の給付だ。
休業(補償)給付は、休業して通算3日間の待機期間後の休業してから4日目以降に支給され、支給額は平均賃金の60%になる。休業補償給付は、受給要件を満たせば公休日、年次有給休暇、欠勤日であっても支給される。
まとめ
公休日とは、会社が定めた労働義務のない休日のことだ。
公休日は、健康保険の傷病手当金、健康保険の出産手当金、労災保険の休業(補償)給付などの公的保険制度の給付に影響することもある。
そのため、どの休日が公休日に該当するかなど、理解しておく方が得策である。