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「パタハラ」が周囲から仕方ないと思われやすい理由と職場で行なうべき対策

2024.07.26

パタハラの対策方法とは

ここでは職場・組織全体で行うべきパタハラの対策方法と育児休暇者への対策について解説していく。

■職場・組織全体で行うべき対策

現在は法律に基づいて以下のような取り組みがなされている。

「男女雇用機会均等法」及び「育児介護休業法」により職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止する措置を事業主に義務付けられている。

また、「改正育児・介護休業法」により育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置が義務付けられた。

2022年10月1日より「出生時育児休業(通称:産後パパ育休)」という新たな制度が創設された。この制度は育児のために子の出生後8週間以内に4週間まで分割し、最大2回まで育児休業とは別で育休を取得できる制度であり、男性の育休を促進する制度である。

このように職場・組織全体で行うべきことはパタハラの事前防止対策とパタハラが発生した場合の迅速かつ適切な対応が求められている。

研修によって育児休業に関する制度やハラスメントに対する理解を深める

育児休業制度や育児休業等に関するハラスメント防止措置について就業規則等に規定して、研修を実施するなどを行い、周知・啓発に取り組むべきであると考えられる。そして研修においてパタハラの事例や自分たちでやれる具体的な対策を紹介し、参加者同士で意見の交換ができる機会を設けるべきである。

また、企業にはパタハラなどのハラスメント防止のために、労働者向けの相談窓口を設置することが義務付けられている。例えば上司が育休取得を渋るような態度を示した場合は相談窓口があることによって状況が解決に向かうことが期待されている。

もしも相談窓口でも解決できない、相談窓口に取り合ってもらえない、解雇されてしまったなどの不利益な事象が発生してしまった場合は、総合労働相談コーナーや、個別労働紛争のあっせんを行っている都道府県労働委員会・都道府県庁、法テラス、みんなの人権110番、かいけつサポートなどの外部の相談窓口を利用してみることも有効であると考えられる。

また事業主は周囲の労働者への業務の偏りを軽減できるよう、業務分担の見直しが必要とされている。

※出典:厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部「職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠 ・ 出産 ・ 育児休業 ・ 介護休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です!!」

※出典:厚生労働省 兵庫労働局 雇用環境・均等部「職場のハラスメント対策について」

※出典:厚生労働省 香川労働局 雇用環境・均等室「法令で義務付けられたハラスメント防止措置について」

■育児休暇者への対策

育児休暇者への対策は、以下のとおりである。

余裕を持って相談を行う

育児休暇を取得する予定の労働者は仕事の引継ぎに十分な時間を取ることができるように会社や上司に早めの相談をすべきである。

同僚と円滑なコミュニケーションをとる

休業前に同僚と丁寧なコミュニケーションを取っておきたい。育休について理解を深めてもらうことと同時に、復帰後の職場の居心地の良さにつながるため積極的に行うべきである。また育休に対して理解を示してもらった時は感謝をして同僚や上司との仲を深めよう。

男性の育児休暇取得を理解してもらうために、常にコミュニケーションを取っていこう

パタニティハラスメントは男性の育児休暇に対して理解が不足しているとき、そして同僚や上司が強い偏見を持っているときに多く発生することである。しかし、法改正により男性の育児休暇の取りやすさと、男性が育児に参加することに対して周りの理解が深まったように考えられる。

しかし、より理解を深めてもらうために上司や同僚は古い価値観からの脱却を行い、労働者は理解をしてもらうために日頃から周りとのコミュニケーションを取っていくべきであると考えられる。そして理解をしてもらえたときは感謝をしてより絆を深めていこう。

文/太田 佳祐(おおた けいすけ)

人材系企業にて求人広告の営業や人材紹介部署の立ち上げやマネジメントを経験。転職し、新規事業部門にて新事業の立ち上げや採用業務に従事したのちに独立(ライター・カウンセラー・セミナー講師)。2021年に政治分野のハラスメント対策を行う法人を立ち上げ、2023年にフリーランスの事業を法人化。プロスポーツチームや自治体、企業や個人の目標達成を伴走型でしながら、ライターとしての執筆や講演活動も行っている。

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