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「年間休日」の平均日数は?大企業と中小企業の違いと覚えておきたい基本ルール

2024.08.06

年間休日の平均日数が気になったことはないだろうか。

普通に休めていると思っているが、趣味や旅行をゆっくり楽しむ余裕がない。もしかして、自分の会社の年間休日数は、平均より少ないのではないか、と不安な方もいるだろう。大企業の平均的な年間休日数も気になるところだ。

この記事では、年間休日の基本ルールから、企業の平均日数、大企業と中小企業の年間休日数の違いまで、具体例も交えながら解説する。

年間休日の平均日数は?

まずは、普段のビジネスシーンでは、なかなか知る機会のない年間休日の概要について解説しよう。

■年間休日とは

年間休日とは、会社が定める1年間の休日のことで、次の二種類の休日の合計だ。

・労働基準法で規定した1週間に1日以上、または4週間に4日以上の休日・・・法定休日

・就業規則等で会社が独自に定めた休日・・・法定外休日 

 例:国民の祝日、年末年始休暇、夏季休暇など

なお、有給休暇や会社独自規定の誕生日休暇など、個人で付与日数や時期が異なる休日は含まない。

■年間休日の平均日数

次に、平均的な年間休日数だが、厚生労働省の調査によると、国内企業約6,400社の 令和4年1年間の年間休日数の1企業平均日数は「110.7日」、従業員1人平均では「115.6日」となっている。

設定の多い日数トップ3は、次の通りだ。

・1位「120~129日」(全体の32.4%)

・2位「100~109日」(全体の31.4%)

・3位「110~119日」(全体の21.1%)

では、年間休日数は、業種によって違いはあるのだろうか。

■平均年間休日数の業種別ランキング

さらに次の表を見てほしい。1位と16位では、平均年間休日数に最大28日も差があることがわかる。

順位

業種

平均年間休日数

1

情報通信業

120.9

1

金融業,保険業

120.9

3

電気・ガス・熱供給・水道業

119.7

4

学術研究,専門・技術サービス業

118.7

5

複合サービス事業

114.0

6

医療,福祉

112.3

7

不動産業,物品賃貸業

111.4

8

教育,学習支援業

110.5

9

製造業

110.1

10

サービス業(他に分類されないもの)

108.0

11

鉱業,採石業,砂利採取業

106.3

12

建設業

104.6

13

卸売業,小売業

104.0

14

運輸業,郵便業

95.9

15

生活関連サービス業,娯楽業

95.4

16

宿泊業,飲食サービス業

92.9

設定日数分布で見ると、1位の「情報通信業」では、85%の企業が「120~129日」、同じく1位の「金融業・保険業」では、93.2%が「120~129日」というように、この2業種では、多くの会社で平均より10~19日程度も多い休日数が確保できている。

一方、16位の「宿泊業・飲食サービス業」では、41.9%の会社で年間休日数が「100~109日」と、半分近くの会社が平均以下の日数となっている。

■大企業と中小企業の年間休日の違いと傾向

次に、大企業と中小企業の年間休日数の違いを見ていこう。

・大企業:常用労働者 1,000人以上

・中企業:常用労働者 100~999人

・小企業:常用労働者10~99人

区分

企業規模

平均年間休日数

大企業

1,000人以上

116.3

中企業

300~999人

115.7

100~299人

111.6

小企業

30~99人

109.8

※「大企業」「中小企業」の区分は、厚生労働省の区分による。

企業規模に比例して年間休日数も増加している。傾向としては、大企業ほど年間休日数が多いことを覚えておこう。

※出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況 」

※出典:厚生労働省「労働統計要覧(D労働時間)」

※出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査の概要」

125日、110日、105日の年間休日の会社が多い理由

年間休日の具体的な設定日数では、125日、110日、105日としている会社が多い。転職サイトや会社の採用ページなどでこれらの数字を見たことがある方もいるだろう。ここからは、2024年を例にとり、三種類の年間休日別の働き方の違いを見ていこう。

■基本データ(2024)

土日日数 104日

祝日日数(振替休日含む)14日

土日祝合計 118日

■年間休日125日の会社

年間休日125日は、大企業の平均年間休日数(116.3日)より約9日も多い。休日に関しては、かなり手厚いといえる。

休日

日数

日程

完全週休2日制

104日

土日すべて

祝日

14日

すべて休み

夏季休暇

3日

8/13~8/15

年末年始休暇

4日

12/30、12/31、1/2、1/3 

合計休日数:104日+14日+3日+4日=125日

125日の休日数では、毎週2日の休みを確保でき(完全週休2日)、国民の祝日もすべて休みのため、いわゆる「カレンダー通り」の休みとなる。さらに、7日間上乗せがあるため、土日祝と絡めることによって、1年に数回、長期休暇を取ることができる。

たとえば、2024年は土日祝と組み合わせることで、夏季休暇は6連休、年末年始は9連休が可能だ。ちなみに、ゴールデンウィークは、平日の4/30、5/1、5/2の3日間を有給取得すると、4/27~5/6まで最大10連休とすることができる。

このように、定期的に1週間程度の長期休暇があると、社員の満足度が上がり、会社への帰属意識やモチベーションアップにつながる。さらには離職率の低下も期待できるというのが、会社が125日の年間休日を設定する理由の1つと考えられる。

■年間休日110日の会社

110日は、国内企業の年間休日数の平均(110.7日)とほぼ同じ日数だ。平均値のため、一見、普通に休日が確保できているような印象だが、よく見ると、土日祝の休日数(118日)に8日足りないので、カレンダー通りの休み方はできない。週に2日の休み、もしくは祝日の休みのどちらかが犠牲になる働き方といえる。

例1 週休2日優先の場合

休日

日数

日程

完全週休2日制

104日

土日すべて

祝日

0日

すべて出勤

夏季休暇

3日

8/13~8/15

年末年始休暇

3日

12/31、1/2、1/3 

合計休日数:104日+3日+3日=110日

例2 祝日優先の場合

休日

日数

日程

土日

92日

月1土曜出勤のため-12日

祝日

14日

すべて休み

夏季休暇

2日

8/13~8/14

年末年始休暇

2日

12/31、1/2 

合計休日数:92日+14日+2日+2日=110日

週休2日を優先する場合は、ゴールデンウィークのような大型連休でも、祝日はすべて出勤となる。祝日がすべて出勤ということは三連休がない可能性が高く、たとえば、週末の三連休を利用してキャンプや旅行に行くのも難しくなる。

また、祝日優先の場合でも、基本的に月に一度は6日連続勤務の週があり、夏季休暇、年末年始休暇日数も減る。年末年始休暇で言うと、合計4日となり、12/30まで出勤、年始は1/3から勤務で合計4日間の休みとなる。

110日は休日日数の平均値なので、少ないとはいえない。しかし、決して多い日数でもないだろう。海外旅行やキャンプなどの趣味を楽しみたい、などプライベートも充実させたい場合は、物足りなさは否めない。

また、残業が多い会社の場合、祝日が出勤だったり、土曜に月一出勤がある、1週間単位の長期休暇が取れない状況だと、疲れが取れないまま働き続けることもありえる。

それでも多くの会社が規定しているのは、設定のハードルの低さがあるからだろう。土日休みの完全週休2日制をとる場合、あと6日程度の休みを規定するだけでよいからだ。仮に、祝日を2日、夏季休暇2日、年末年始休暇2日なら、人手不足等の事情を抱える会社でも、ぎりぎり設定できる日数だと思われる。

■年間休日105日の会社

年間休日105日のケースでは、完全週休2日制をとると、週に2日以外の休みは1日しかないことになる。当然祝日も出勤となり、お盆、年末年始も基本的に出勤だ。長期休暇を取れる可能性はほぼない。

例1 週休2日優先の場合

休日

日数

日程

完全週休2日制

104日

土日すべて

祝日

0日

すべて出勤

夏季休暇

0日

土日以外は出勤

年末年始休暇

1日

1/1 

合計休日数:104日+1日=105日

例2 日曜休み優先、祝日一部休みの場合

休日

日数

日程

土日

92日

月1土曜出勤のため-12日

祝日

10日

ある月は、ひと月につき1日

夏季休暇

1日

8/13

年末年始休暇

2日

12/31、1/2 

合計休日数:92日+10日+1日+2日=105日

例1でも例2でも、明らかに休日数は少なく、毎日が仕事に追われ、プライベートの充実は見込めないと考えたほうがよさそうだ。。先ほど見た企業の平均休日数よりも少ないので、一般的に見ても、かなりキツい働き方といえる。

では、なぜ年間休日数を105日に設定するのかというと、労働基準法上105日が、1日8時間勤務の場合の最低ライン休日数だからだ。

次の計算で、105日が算出できる。

労働基準法での労働時間の上限は、1週間:40時間、1日:8時間。

1年は約52週。(365日÷7日≒52週)

52週×40時間=2080時間(年間総労働時間の上限)

2080時間÷8時間=260日(年間総労働日数の上限)

365日ー260日=105日(年間休日の最低ライン)

このように、最大限休日を少なくしたい場合のぎりぎりのラインが105日である。仕事が最優先でも問題ない場合以外は、長期間続けるには、心身ともにセルフケアが欠かせない。

まとめ

国内企業の年間休日の平均日数は110.7日だ。また、企業規模や業種によって、年間休日数には大きな開きがあることがわかった。

年間休日数は、企業がホワイトかどうかの判断材料となることもある、重要な指標の1つだ。平均日数や設定日数ごとの働き方のイメージをつかむことで、自分の会社の状況や、この先の仕事人生を考えるきっかけとなれば幸いである。

文/木戸史(きどふみ)

立命館大学文学部卒業後、営業、事務職、編集アシスタントなどを経て、社会保険労務士事務所で社労士として勤務。現在はライターとして活動しており、社労士として多くの中小企業に携わった経験を生かし、ビジネスマンに役立つ法律知識をできるだけわかりやすく発信している。

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