アニメ、ゲーム、Vtuberなどのイラストやキャラクターデザインを手がける「絵師」と呼ばれる方々が若者から絶大な支持を集めている。彼らが生み出したキャラクターは時代を彩るアイコンとして広く認知され、幅広い媒体で活用されることも。
しかし、AIなどの技術の進化により、誰もが容易にイラストやキャラクターを描けるようになった今、多くの人を魅了する技術と才能、さらにはイラストを超えた個性までも要される時代に突入している。
2024年現在、「絵師」として活躍する人はどんな経緯でその職に就き、どんな日常を送っているのか?仕事へのこだわり、自らの魂をキャラクターに注ぎ込む術を聞きたい。
へちまさんに聞く、「絵師」の仕事
そこで今回、絵師として活躍する方にインタビューさせていただいた。
アニメーターとして『雨を告げる漂流団地』、『ペンギン・ハイウェイ』などを手掛け、日清どん兵衛CMのディレクションも担当。
今年3月には「アイドルマスター」シリーズの新作となるスマホアプリ『学園アイドルマスター』のキャラクター原案も手掛けた、アニメーター/イラストレーターの
へちまさん(@hechima10040)に話を聞いた。へちまさんの作品と共に「絵師」の仕事をご堪能いただきたい。
――へちまさんはアニメーターでもあり、イラストレーターとしても活躍されていますがそれぞれの具体的なお仕事内容は?
「アニメのお仕事は原画や作画監督をやらせていただいていまして、近年は劇場作品に参加する機会が多いです。イラストは書籍やCD、ゲーム、Vtuber関連などですね」
「アニメ作品の稼働が過密な時はアニメの仕事の割合が多く、作品と作品の間など仕事が薄めになる期間はイラスト仕事に割く時間が増える感じです」
これまで、アニメーターとして『アリスとテレスのまぼろし工場』、『ワンパンマン』などで原画を担当。さらに、映画『ペンギン・ハイウェイ』では作画監督、2020年公開の『泣きたい私は猫をかぶる』では作画監督に加え、メインビジュアルも担当した。
その一方で、イラストレーターとしても活躍しているが、イラストの仕事で最初に携わったのは?
「記憶が曖昧ですが、初音ミクのCDの特典用のイラストだった気がします。その後、ボカロのイラストやMVなども描かせていただきました」
そして今年3月に発表された『学園アイドルマスター』では、南野あき先生と共同でキャラクター原案を担当。いわゆる、#学マス はアイドル育成シミュレーションゲームだがゲームキャラクター原案の仕事とは?
「キャラクターの性格や設定、セリフなどをいただいてラフを出し、何度もお打ち合わせしてイメージに近づけ、キャラクターを完成させました。身長などを除くと外見の指定はほとんどなかったので、髪型など色々なパターンを描いた気がします」
――キャラクターを生み出すときの発想術・コツはありますか?
「たくさん参考資料を収集して、アイディアが浮かんでいなくても先に手を動かすことでしょうか。コツとは言えないかもしれませんが・・外を歩くときに人や風景を観察するようにしてみるのもいいかもしれないです」
「そのキャラクターらしい表情や仕草、そのキャラの見せたい部分はどこかなというのは考えるようにしています。特に表情は着彩後も繰り返し修正することが多いです」