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贈り物をする際は、せっかくならば相手に気持ち良く受け取ってもらえるように、伝え方にも気を配りたいものです。
この記事では、贈り物をする際に用いられる「ほんの気持ちですが」の意味、使い方・例文、使用する際のポイントを解説します。あわせて、類語・言い換え表現も確認しましょう。
「ほんの気持ちですが」とは?基礎知識を解説
「ほんの気持ちですが」は、誰かに贈り物をするときに添えるフレーズです。お中元、お歳暮、プレゼントなど、ちょっとしたものを贈る際に添えることで、謙虚で丁寧な印象を与えられます。
それでは、「ほんの気持ちですが」の意味や目上の方に使用可能かどうか、ビジネスシーンなどでの使い方・例文を解説します。また、「ほんの気持ち」で渡すものの例や用いる際のポイントも確認しておきましょう。
■意味は「ささやかですが(受け取ってください)」
「ほんの」とは「小さい」や「つまらない」などを指します。この場合の「気持ち」は、「相手への感謝の心や慶弔の意などを表すもの」です。
「ほんの気持ちですが」は、「ささやかですが、感謝のしるしです。受け取ってください」といったニュアンスのフレーズです。謙遜の意と、相手への感謝の気持ちが込められています。
また、「この程度では感謝の気持ちを伝えきれない」というニュアンスも含んでいる表現です。
■「ほんの気持ちですが」は目上の人に使ってもOK
目上の方に贈り物をするとき、どのような言葉を添えると良いのか迷うことがあるでしょう。
「ほんの気持ちですが」は、目上の方に贈り物をするときに使用可能なフレーズです。丁寧な敬語表現であるため、ビジネスシーンなどでも使えます。
また、丁寧な印象のあるフレーズではあるものの、かしこまりすぎるような印象はありません。後輩や同僚、友人などにも使えるフレーズです。
ビジネスシーンなどでの使い方・例文
それでは、ビジネスシーンなどでの実際の使い方を例文で簡単に確認しておきましょう。
・先日はありがとうございました。ほんの気持ちですが、お受け取りいただけますと幸いです。
・ほんの気持ちですが、どうぞ皆様でお召し上がりください。
・ほんの気持ちばかりですが、お礼の品を用意させていただきました。
また、「ほんの気持ちですが」というフレーズは、香典をお渡しするときなど、お悔やみの席でも使用することがあります。お悔やみの席で用いる場合の例文は、以下のとおりです。
・ほんの気持ちですが、よろしければご霊前へお供えください。
■「ほんの気持ち」で渡すものはお土産やお金など
「ほんの気持ちですが」という前置きを用いて贈り物をする際は、以下のようなものを渡します。
・お中元
・お歳暮
・お土産
・菓子折り
・お祝いの品
・お金
「ほんの気持ちですが」は、対面で手渡しする際だけではなく、宅配便で送る際にも使用可能です。
また物品だけではなく、お金を渡す際にも使えます。お金を渡す際は、はっきり現金だと伝えると相手が受け取りにくくなってしまうものです。
そのため、「ほんの気持ちですが」と伝えて中身を言及しないようにすると、相手が受け取りやすくなります。
■「ほんの気持ちですが」を用いる際のポイント
「ほんの気持ちですが」を用いる際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
・豪華な贈り物をする際は使わない
・謝罪の場にはふさわしくない
・相手から贈り物を受け取ったときなどに用いると失礼にあたる
「ほんの気持ちですが」というフレーズには、「ささやかですが」といった意味があります。もしも豪華なプレゼントや大金を渡す際に用いると、恐縮されてしまったり、かえって失礼な印象になってしまったりする恐れがあるため注意が必要です。
また、受け取ったものに対して使ってしまうと、相手からの贈り物を「つまらないものだ」と伝えることになってしまい、失礼にあたります。
「ほんの気持ちですが」の類語・言い換え表現2つ
あわせて、似たような意味を持つ類語・言い換え表現も確認しておきましょう。
「ほんの気持ちですが」の類語・言い換え表現の例は、以下のとおりです。
1.心ばかりですが
2.つまらないものですが
また、「ささやかではございますが」「ほんの気持ちではございますが」「気持ちばかりですが」「ちょっとしたものですが」などの表現もあります。
それでは、「ほんの気持ちですが」の類語・言い換え表現の意味などを解説します。
■1.心ばかりですが
「心ばかりですが」も、贈り物を差し出すときに謙遜して用いるフレーズです。「たいしたものではないですが(受け取ってください)」という意味があります。
また、以下のような表現も可能です。
・心ばかりではありますが
・心ばかりの品ではございますが
なお、「心ばかり」の「ばかり」は、「許り」と漢字表記する場合もあります。「ばかり」とは「~だけ」「~のみ」を意味する言葉です。
■2.つまらないものですが
「つまらないものですが」というフレーズも、似たような意味で使えます。「つまらないもの」とは、「取るに足りないもの」という意味です。
「つまらないものですが」を用いるときは、本当につまらないものだと思って渡すわけではありません。自分の贈り物をへりくだって相手に伝える、謙虚なニュアンスの表現です。
とはいえ、近年ではそこまでへりくだる必要はないと考える傾向にあります。言葉の意図が通じずに「つまらないものを渡すなんて」と思われる恐れもあるため、注意が必要です。
「ほんの気持ちですが」を適切に使おう
「ほんの気持ちですが」とは「ささやかですが」を意味します。贈り物をする際に用いることで、謙虚で丁寧な印象を与え、相手が受け取りやすくなるなどの効果のあるフレーズです。
使う際は、「豪華な贈り物をする際は適さないこと」「相手から贈り物を受け取ったときなどに用いると失礼にあたること」などのポイントをおさえましょう。
相手に贈り物をする際に似たような意味で使える言葉には、「心ばかりですが」「つまらないものですが」「ささやかではございますが」などがあります。
使い方の例や用いる際に注意すべきポイントなどを確認し、適切に伝えられるようになりましょう。
構成/chihaya