夏のボーナスをもらった後に転職しようと考える人は、5月時点で転職活動を本格的に行っていたのではないだろうか。では、そんな5月の転職求人倍率はどのような状況になっていたのだろう。
パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、2024年5月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表したので、概要をお伝えしよう。
doda転職求人倍率2024年5月は2.57倍(前月差‐0.09ポイント)!求人数は高い水準を維持
2024年5月の転職求人倍率は、前月から‐0.09ポイントの2.57倍となった。求人数は前月比100.5%、前年同月比119.4%。転職希望者数は前月比104.1%、前年同月比102.1%という結果に。
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のうち6業種で前月から増加。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比104.3%)、次いで「メディカル」(前月比102.3%)であった。
職種別では11職種(「その他」は除外)のうち7職種で前月から増加。最も増加率が大きかったのは「専門職(コンサル・金融)」(前月比103.0%)、次いで「専門職(建設・不動産)」(前月比102.6%)という結果に。
■doda編集長:桜井 貴史氏の解説と今後の見通し
5月の求人数は前月比で微増し、引き続き高い水準で推移しました。業種別で求人数の増加率が最も大きかった「コンサルティング」では、DXやAIに関する戦略策定支援の需要の高まりから、IT戦略コンサルティングのポジションで増加しました。
次いで大きかった「メディカル」では、製薬会社でのバイオ医薬品などの開発が活発な背景から、CRO(医薬品開発業務受託機関)で、特に治験に関わるCRA(臨床開発モニター)の求人が増加しました。
今年度は、これまで活発だった未経験者採用の動きから育成に主眼を置く企業も多く、即戦力となる経験者採用のニーズがより高まっています。転職希望者数は、例年夏の賞与後の転職を目指して活動を始める人が増える傾向にあるため、増加したと考えられます。
求人数、転職希望者数ともに増加しましたが、転職希望者数の増加率のほうが大きかったため、転職求人倍率は下降しました。
6月の求人数は、欠員補充のための募集や、新卒の採用・入社が一段落する時期でもあり、例年第二新卒向けの求人が増える傾向にあるため、増加が見込まれます。
転職希望者数も、引き続き、夏の賞与後の転職を目指し、活動を始める人が増えるため増加が見込まれます。例年の傾向から、転職希望者数の増加率よりも求人数の増加率のほうが大きい可能性が高いため、転職求人倍率は上昇すると推測されます。
関連情報
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
構成/Ara