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多角的に物事を考えることを意味する言葉に「ラテラルシンキング」がある。「ラテラルシンキング」は自己啓発やビジネスシーンで用いられる表現ではあるものの、正しい意味や使い方を理解せずに使っている人も少なくないはず。
そこで本記事では、「ラテラルシンキング」の正しい意味と使い方、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングとの違い、そしてラテラルシンキングのやり方を解説する。
最後に紹介するラテラルシンキングの鍛え方も、ぜひこの機会に確認しておこう。
「ラテラルシンキング」とは
まずは、「ラテラルシンキング」の正しい意味とロジカルシンキングとクリティカルシンキングとの違いを解説する。ラテラルシンキングが着目されている理由とあわせて、ぜひ参考にしてほしい。
■固定観念にとらわれず多角的に物事を考えること
ラテラルシンキングとは、固定観念や既成概念にとらわれず多角的に物事を考える思考法だ。
日本語訳は「水平思考」で、「ラテラル」は「水平」、シンキングは「思考すること」を表す。ラテラルシンキングは問題を解決するために用いられる考え方で、常識を疑うことで直感的な発想や偶然をチャンスにできないか思考していくのが特徴だ。
■「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」との違い
別名「垂直思考」とも呼ばれるロジカルシンキングは、合理的な結論を出すために用いられ、筋道を立てて論理的に考える手法のこと。そのため、一つの結論が導かれるケースがほとんどだ。
一方でラテラルシンキングの場合、多角的な視点から物事を考えるため必ずしも答えが一つとは限らない。
また、クリティカルシンキングは「批判的思考」とも言われ、問いを立てて前提条件や自分の思考を見つめ直す考え方。クリティカルシンキングは思考のプロセスや結論などあらゆる要素の吟味に強いのが特徴だ。
■ラテラルシンキングが着目されている理由
ラテラルシンキングが注目されている理由は、既成概念が通用しない傾向にあり、新しいアイデアを創造するニーズが高まっているからだ。世の中の流れや変化が速くなっているため、最近では既成概念が役に立たなくなるケースが増えている。
また、競争が激化している現代社会では、新たな商品やサービスを提供し続けて競合他社に勝つ必要がある。これらの問題を解決しようと、ラテラルシンキングが用いられるようになった。
ラテラルシンキングのやり方
次に、ラテラルシンキングのやり方を紹介する。ビジネスシーンで使えるよう、正しいやり方をチェックしておこう。
1. 今感じている不満に気づく
問題を解決・改善したいモチベーションを向上させるために、日常から感じている不満や疑問をリストアップして見える化しよう。
例えば、取り組んでいる仕事に不満はないか、業務プロセスに疑問を抱いていないかといった感情を見つけだせるよう、日頃から意識してみることが重要だ。
2. 不満を感じる理由を探る
ラテラルシンキングをより深めるためには、今感じている不満の原因を追究することが大切だ。ルーティン業務の手順や、上司から頼まれた作業の必要性など、何気なく取り組んでいる仕事に対し、既成概念にとらわれずに疑問を持つことから始めてみよう。
3. 具体的な解決策を考える
不満の原因を解決するためには、できるかぎり多くの具体的な施策を考える必要がある。「何をどのようにしたら解決するのか」「代替案はないのか」「原因を解消できる手段や物はないか」と、多角的な視点から施策を考えることを心がけよう。
4. 適した解決方法を選ぶ
考えた施策を見直し、現実的に実行できる可能性が高い解決策を精査しよう。不満の根拠を見つけたり、施策を具体的なプロセスに落とし込んだりすると、施策がさらに実現しやすくなる。
ラテラルシンキングの鍛え方
最後に、ラテラルシンキングの鍛え方を紹介する。
ラテラルシンキングのやり方はわかったものの、実生活での実践法や上達法がわからない人もいるのではないだろうか。ラテラルシンキングを鍛えるための、具体的な思考や行動を確認しておこう。
1. 前提を疑う
不満の要素を洗い出すために、まずは今ある前提を疑おう。
小さな疑問から不満を見つけられるよう、「なぜこの仕事を行っているのか」「この業務のプロセスはどうしてこの順番なのか」といった疑問を持つことを意識する必要がある。
このような疑問から不満が発掘され、隠れていた問題の解決が期待できるだろう。
2. 複数の視点・思考法から考える
固定観念や既成概念は気にせず、日常からあらゆる視点で物事を考えることを習慣化しよう。
常識や自分の思考の癖にとらわれず、相手や第三者からの視点で考えるのがおすすめだ。
また、否定的な思考やロジカルシンキングなども使って考えると多角的な面から思考できるようになり、不満を解消するためのアイデアが浮かびやすくなるだろう。
3. 物事を抽象化する
物事を抽象化する癖をつけるのも、ラテラルシンキングを鍛えるおすすめの方法だ。物事を考える際、具体的な内容を何か別のものに見立てて抽象化することで、物事の本質が発掘されることがある。物事を抽象化することで、ふと浮かんだアイデアの中からベストなものを選び抜ける場合もあるだろう。
4. 日頃からラテラルシンキングを意識する
まずは日常のシーンで感じている不満や抱いている疑問を忘れないよう、メモをとることを心がけるのが大切だ。そしてラテラルシンキングを繰り返し、習慣化することで鍛えられるだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部