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アパレル・ファッション業界の平均年収は356万円 、最も年収が上がった職種は?

2024.06.23

コロナ禍の外出自粛によってファッションアイテムの需要が減少し、深刻な打撃を受けたとされるアパレル業界。日常が戻り、思い思いの服装で自由に出かけられるようになった今、アパレル・ファッション業界の「平均年収」および「平均年間賞与額」はどれほど増減したのだろうか?

パーソルキャリアが運営するアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」はこのほど、2023年のアパレル・ファッション業界の「平均年収」および「平均年間賞与額」を調査し、その結果を発表した。

なお本調査は、2023年の1年間に、「クリーデンス」の転職支援サービスに登録した人のデータを元に算出したものだ。

2023年のアパレル・ファッション業界平均年収は、前年から10万円アップし356万円

2023年 年齢・職種別 平均年収

2023年のアパレル・ファッション業界平均年収は356万円で、前年の346万円を10万円上回った。これは、コロナ禍でカットされていたさまざまな手当の支給が復活したり、減額されていた賞与が満額支給されるようになったことが大きな要因と見られる。

加えて、アパレル業界では人材不足が重要な経営課題の1つとなっている。そのため、一部の企業では、従業員のエンゲージメント向上・採用競争力の強化のために販売職を含む社員のベースアップが進んでおり、これも年収を引き上げる一因となったと考えている。

採用市場においては、いち早くベースアップに踏み切った企業が与えるポジティブな影響は大きく、人材採用力強化を目的に、ベースアップを検討する企業は今後も増えると予測される。

年収上位の職種は前年と変わらず、「マーケティング」「MD・バイヤー」「営業・店舗開発」

職種別でみると、最も平均年収が高かったのは「マーケティング」(466万円)、次いで「MD・バイヤー」(462万円)、「営業・店舗開発」(460万円)となった。

これらの職種は、事業・ブランドのさらなる成長に寄与する「マーケティング」、ブランド全体を数値面から統括する「MD(マーチャンダイザー)」、売上を作るための施策の立案から実行に携わる「営業」と、いずれも事業を成長、拡大させていくために重要なポジションだ。そのため、以前から他の職種よりも高年収となっており、23年においても変わらずこの傾向が続いていると言える。

一方で、「マーケティング」は唯一前年比で年収が下がった職種となっている。「マーケティング」はアパレル業界を問わずニーズが高い職種であることから、業界をまたいだ転職がしやすくなっている。特に経験や知見を持つ人材は、より良い条件ではたらくことを求めて、アパレル業界を離れる選択をする人も多いことから、経験・知見を持つ高年収帯の登録者が減少したことが、平均年収がマイナスとなった要因だと捉えている。

■年収が最も上がった「パタンナー」は、市況回復に伴い、内製化が進み待遇改善がみられたことが要因に

2023年は新ブランド立ち上げやリブランディングにともなう採用ニーズが増え、「デザイナー」や「パタンナー」、「MD」といった企画系職種の採用市場も活況となった。

その中でも「パタンナー」は昨年比+42万円と増加幅が最も大きくなっている。これは、コロナ禍では海外工場へのパターン作製依頼など外注に切り替えていた企業が、市況の回復にともなって、内製に戻すための待遇改善を行うケースが増えていることが背景に挙げられる。

■就業人口の大多数を占める「店長」「販売」の年収は微増。ベテラン層を中心に年収の引き上げが顕著に

新規出店や増床、代行店から直営店への切り替えにともなう増員など、アパレル・ファッション業界のなかでも、採用市場が特に盛り上がったのが店舗運営の要となる「店長」「販売」となった。

2022年以降、採用活動が活発に行われたことで人員が充足した企業も多くある。そのため、2023年は次のフェーズとして、新たに採用したメンバーの育成・マネジメントを担う店長職や、育成を担える経験豊富な人材の採用強化が行われている。この結果、「店長」「販売」ともに35~39歳の年収が大幅に上昇し、これによって全体が引き上がったと言えるだろう。

■上流工程や育成・マネジメントポジションへの注力を背景に、ベテラン層ほど平均年収がアップ

年齢別で平均年収を見てみると、35~39歳が最も前年を上回る結果となった。

「MD」などのブランド運営に関わるポジションでは、事業の好不調がダイレクトに年収に反映されるため、これらのポジションに就くことの多い、35~39歳の年齢層で特に年収がアップしている。

これに加えて、コロナ禍から復調するなかで、人材不足を補うための採用フェーズが終わり、2023年以降は事業を攻めに転じるための人材育成やマネジメントに注力するべく、待遇を見直す企業が増えている。そのため、リーダー・育成・マネジメントに携わる人が多い、ベテラン層への待遇の見直しも年収がアップした一因と考えられる。

満額支給のケースが増え、25~39歳の年間の平均支給額は60万円

2023年 年齢別 平均年間賞与

年間賞与額は、平均年収と同様前年を上回り、60万円となった。また、年齢別でみると25~29歳が51万円、30~34歳が69万円、35~39歳が65万円となり、賞与は金額、増加幅ともに30~34歳が最も高い結果となった。2023年になり、ようやく業績が回復し、賞与を満額支給したり増額する企業が増えていることが、全体的に金額が引き上がった要因だと言える。

また、賞与額は企業業績だけでなく、個人の業績でも大きく額が変わる。今回の調査では、平均すると給与(月収)の2.0ヶ月分の支給額だったが、個人の実績が売上に直結しやすい「MD・バイヤー」「営業・店舗管理」や、適切な物流に貢献した「生産管理」で、給与の4ヶ月分以上の賞与支給となった人の割合が前年を上回っている。

なお本調査は、正社員・契約社員・業務委託など、全ての雇用形態の登録者が対象となっている。近年、アパレル業界では、ライフスタイルに合わせたはたらき方を選択しやすくなっていることから、2023年と2022年のデータを比較すると、25~29歳・34~39歳において、正社員の割合が低下した。雇用形態は賞与額に大きく影響することから、正社員率の変化が少なかった30~34歳の年齢層で、前年からの上昇額が最も高まった。

解説者プロフィール クリーデンス 事業責任者 荒木 学(あらき まなぶ)氏

1978年、島根県生まれ。
2005年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)に新卒入社。入社以来17年にわたり、主に転職サービス「doda」の人材紹介業に従事。キャリアアドバイザーとして首都圏・東北・関西エリアの金融、小売・飲食、営業職領域を主に担当し、支援した転職希望者は2,000名を超える。さらに、法人営業マネジャーとして、東北6県の全業職種を担当。
2022年4月にクリーデンスに異動し、2023年4月よりクリーデンスの事業責任者として、アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。

出典:クリーデンス(doda)

構成/こじへい

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