残高はどうする?クレカはどうなる?
では、利用者はそれぞれの期日までに何をしたらいいのか。うっかり損をしないための注意点がいくつかある。
■PayPay移行ができるように
次に、「LINE Payの残高をどう処分するか」という話題に言及したい。
LINE Payの残高の現金払い戻しは、来年4月まで対応するとしている。しかし、数百円程度の少額であればわざわざ現金に戻す必要性はないかもしれない。
そこでLINE Payは、「残高のPayPay移行」を計画している。これについては今の時点では詳細情報はなく、LINE Payは「2025年2月末までに残高移行機能の手続きの詳細を案内する」と説明している。
なお、2025年1月から2025年4月までに銀行振込サービスと出金サービスを利用する場合、2024年12月下旬までに本人確認を実施しておかねばならないという。
■クレカは有効期限まで利用可能
さて、LINE Payは独自のクレジットカード「Visa LINE Payクレジットカード」(以下LINEクレカ)を展開している。この支払い有効期限については「2025年4月下旬以降カードの有効期限まで」としている。
つまり、LINE Payのサービス終了から数年が経過したとしても、カードの有効期限内であれば引き続き利用できるということだ。そうはいっても、いずれ終わりゆくクレカということには違いはなく、特典が打ち切られてしまうという点を鑑みても早めの「投手交代」をしたほうがいいかもしれない。
国外のLINE Payはサービス継続
これらの情報を総合すると、LINE Payのサービス終了までにはまだ時間的余裕があり、利用者が今からバタバタと慌てる必要はないだろう。
なお、LINE Payは台湾とタイに進出していて、しかもどちらの国でも人気決済銘柄となっている。そのため、日本人旅行者にとっては便利な財布でもあったのだが、「国外での利用」はどうなるのだろうか?
特設サイトにはこうある。
「台湾、タイの一部加盟店において、日本のLINE Payがそのままご利用いただけておりましたが、本サービスにおいても2025年4月をもって終了とさせていただきます。なお、台湾、タイ現地のLINE Payは、今後も継続となります」
つまり、台湾とタイでのサービスは継続されるが、日本のLINE Payはどのみち完全終了の道をたどるということだ。このあたりで「旅行が不便になってしまう!」と嘆くライターやXユーザーも少なからずいる。筆者自身、タイに旅行した際には何度かお世話になっていた。
4,000万人以上のユーザーを抱えるキャッシュレス決済サービスの終焉。今後は導入企業に多大な影響が及ぶことが予想されるが、利用者に向けた差し迫った対応はまだなさそうだ。
取材・文/澤田真一