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「組み込みエンジニア」の年収は14万円アップ!採用決定時に決定年収が上昇した職種ランキング

2024.06.21

2位の「営業職」の決定年収を押し上げたのは、金融営業。不動産投資熱が旺盛なためか

「営業職」の内訳を見ると、本職種の決定年収を押し上げているのは金融営業だった(【表2】参照)。マイナス金利政策により個人も融資が受けやすくなっていたことや、公的年金への将来不安などを背景に、不動産投資熱が高まっている。こうしたニーズを踏まえ金融業では、従来の株式や投資信託、保険といったリテール営業に留まらず、不動産投資に関する営業にも力を入れるべく、経験者採用を強化している。金融営業のニーズの高まりが、「営業職」全体の決定年収を押し上げたと考えられる。

同じく2位の「技術職(化学・素材・化粧品・トイレタリー)」は、化学メーカーのベースアップが要因か

同じく2位の「技術職(化学・素材・化粧品・トイレタリー)」は、化学メーカーの定期昇給とベースアップが進んだことが、決定年収の増加に影響を与えたと考えられる。大手化学メーカーではここ数年、初任給を引き上げている。また、転勤等に対する手当を手厚くすることで、人材の引き留めや確保を行う企業も出てきている。結果、転職時の提示年収も増加しており、年収を上げたい個人が、ベースアップしている化学メーカーに転職を試みる動きが顕著になっている。

■doda副編集長 総括

今回の調査から、2023年度は14職種中12の職種で決定年収が増加したことがわかった。今後も物価上昇が見込まれること、そして労働人口不足が解消されないことを考慮すると、賃上げ傾向は続き、それにともない転職時の提示年収も徐々に上がっていくと推測する。しかしながら、何もせずとも、転職時の年収が大きく上がるということはないだろう。では、個人は何ができるのか。転職時に年収が上がる可能性があるケースを、2つ紹介していきたい。

・20代Aさんのケース

Aさんは、年収アップを目的に転職を決意。しかしながら、エンジニアとしての実務経験が2年と浅く、不安を感じていた。そこでAさんは独学で、地元エリアの飲食店を地図上で探すことができるアプリを開発。リリース後は、ユーザーからのフィードバックをもとに、改修・改善にも取り組んでいる。

実務経験こそ少ないものの、Aさんの自ら学ぶ姿勢、そしてアプリのリリースに留まらず、改善にまで取り組みPDCAを回している点は、大きな評価ポイントだ。こうした経験を仕事以外でも積んでいくことで、エンジニアとして年収アップを叶えるかたちで、転職できるであろうと考える。

・40代Bさんのケース

アナログ作業が多く残業が多いBさんは、家族と過ごす時間を増やすために転職を決意。飛び抜けた実績などないと思っているBさんだが、紙で管理していた情報をデータベース化したり、マクロや関数を組み自動計算できるようにしたりと、自らの業務を効率化するために一工夫加えている。

年を重ねるほど、新しいことへの挑戦をリスクと感じ、守りの姿勢に入ってしまう傾向が強くなりがちだ。キャリアを重ねていく中でもこれまでのやり方に固執せず、業務改善に取り組むBさんの柔軟な姿勢は、転職時にプラスに働くだろう。例えば、これまでいた業界に特化した専門コンサル会社に、業務改善コンサルタントとして、残業時間の削減も、年収アップも叶えられる転職が可能だと考える。

紹介した2つのケースに共通するのは、自らのキャリアを自分の力で切り開いていく主体性、すなわち、「キャリアオーナーシップ」の発揮だ。今後、個人においては企業寿命の短命化や終身雇用の崩壊にともない、定年まで1社に勤め上げることが難しくなるだろうし、「人生100年時代」の到来にともない、はたらく期間は長期化していく。

企業においては不確実性が高く、変化が激しいビジネス環境下で持続的に成長していくためには、自ら考え行動できる人材が必要不可欠になっていくだろう。

今後、個人の発揮する「キャリアオーナーシップ」の重要性がますます高まっていくにつれ、転職時の年収にも個人のキャリアへの主体性が影響を与え得るとわたしは考えている。

<【解説者プロフィール:doda副編集長 高橋直樹(たかはし なおき)氏>

2006年、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に入社。

人材紹介の法人営業として8年間、東京、名古屋、大阪の3エリアを異動しながら建設や不動産、IT、医療、製造、さらにはサービスなどさまざまな領域の採用支援に携わる。その後、マネジャーとして新規事業の立ち上げ、2017年には転職メディア事業部にて中小、スタートアップ企業の開拓部隊の立ち上げを牽引。

2019年10月からは、キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーとして、既存事業のグロースと、部門内の新規事業の立ち上げをリード。その後、2023年4月からは首都圏キャリアアドバイザー部門の責任者としてエグゼクティブマネジャーに就任し、2024年4月、doda副編集長に着任。はたらく個人の転職動向に精通している。

<調査概要>
対象者:2019年4月-2024年3月の期間に「doda」のエージェントサービスを利用して転職した個人
雇用形態:正社員

出典:転職サービス「doda」

構成/こじへい

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