2022年4月より、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)で定められたパワーハラスメント防止措置義務が中小企業にも拡大され、すべての企業が対象となった。
こうした中、企業のハラスメント件数は着実に減少しているのだろうか。また、職場の悩みで最も多いものは何だろうか?
企業で働く人の健康管理を専門に受託する会社・ドクタートラストはこのほど、「2023年度 外部相談窓口サービス『アンリ』相談状況レポート」を発表した。
本レポートは、2023年4月~2024年3月にドクタートラストの外部相談窓口サービス「アンリ」に会員企業の従業員から寄せられた相談を分析したものだ。
「アンリ」はメンタルヘルスやハラスメント、健康に関する相談を電話、メール、オンラインで受けるサービスだ。
1. 相談状況~ハラスメント相談件数が減少~
2024年3月末時点での外部相談窓口サービス「アンリ」の契約社数は309社、会員数は約9万4千人となった。
2023年4月~2024年3月での総相談件数は947件で、最も多かった相談種別は「メンタルヘルス」で、以下「ハラスメント」「健康不調」と続く。ハラスメントの相談は2022年度にくらべて減少していた。
2. 相談内容の内訳~最も多いのは「上司・先輩との関係に関する悩み」~
職場にかかわる相談内容で最も多かったのは、2022年度同様に「上司・先輩との関係」となった。他の相談内容とくらべて、件数は倍以上で、「上司・先輩との関係」が悩みの種になりやすいとわかる。
プライベートにかかわる相談内容では「子どもの悩み」が最も多く、次いで「配偶者との関係」となった。