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職人気質は、文字通り職人に備わっている性質を表す言葉。言葉としては耳にしたことがあるけれど、職人気質が具体的にどのような性質を表すかを理解している人は少ないのではないだろうか。
本記事では、職人気質の正しい読み方や意味、職人気質の人が持つ特徴などについて解説する。正しくこの言葉を使うためにもしっかりと理解をしておこう。
職人気質の読み方と意味、英語表現
まずは誤読されやすい「職人気質」の読み方や正しい意味、言い換え表現、英語表現などを確認する。
■読み方と意味
職人気質の読み方は「しょくにんかたぎ」。「気質」は「きしつ」と読む場合が多いため、誤読には注意したい。職人気質は、自身の技能に誇りを持ち、納得するまで仕事をする実直な職人特有の気質の意味を持つ。
なお、「気質」は「きしつ」と読む場合と「かたぎ」と読む場合で意味が異なる。「気質(きしつ)」は個人に元々備わっている性質を意味する。一方で「気質(かたぎ)」は、身分や職業、年齢層、環境などを同じくする、人々の間に共通して見られる性格を表す言葉とされる。古くからの伝統を重んじる気風を表す「昔気質(むかしかたぎ)」、利益に敏感で信用を重視する様を示す「商人気質(あきんどかたぎ)」などのように使われる。
■言い換え表現
職人気質の言い換え表現には、「職人肌」「職人魂」などがある。また、職人気質な人の特徴として頑固さや無愛想な様があることから、「頑固一徹」「無骨な」などの言葉も職人気質と類語関係にあるといえる。
■英語表現
職人気質は英語で「Artisan spirit」「Craftsman spirit」などと表現される。ArtisanとCraftsmanはともに、熟練した職人という意味を持ち、spiritは精神や魂を表す。
例文
She has an artisan spirit, and never compromises her work.(彼女は職人気質で、決して妥協しない)
ちなみに、日本でも使われる「クラフトマンシップ」は職人の技能や職人芸を示す言葉。職人魂や職人の気質を示す言葉ではない点に注意しよう。
職人気質な人の特徴
職人気質な人は、時に「時代遅れ」「めんどくさい」といったイメージを持たれることもある。ここでは職人気質な人の特徴を見ていこう。
■責任感が強い
責任感の強さは職人気質な人の大きな特徴。常に精度の高さにこだわり、仕事に手を抜かない真面目な性格を持つ。不誠実なことを嫌い、真摯な姿勢を持つため、仕事を任せるのには良い相手と言える。
■粘り強さや頑固さがある
職人気質な人は完璧主義とも言われる。相手の期待以上のものを提供するため、自身が納得できるまで努力を惜しまない。ストイックな姿勢から、周囲との温度差や成果物のクオリティの差が生じることで、協調性がないと捉えられることもあるだろう。そのため、職人気質な人はチームで仕事をするよりも一人で直向きに作業をする方が向いているとされる。
■意志が強い
職人気質な人は仕事へのこだわりが強く、高い理想を持つ傾向にある。また自分のスキルや考えに自信を持っているため、周囲のアドバイスを受け入れにくく、頑固者と捉えられることも多い。周りに合わせて意志を曲げることもしない。
職人気質が活かされる仕事
細部にこだわる、真面目、といった特徴の職人気質は、専門的で高い集中力を要する職業で活かされるとされる。今回は職人気質が活かされる4つの職業を詳しく見ていこう。
■エンジニア
エンジニアは、電気や機械などのエンジニアリング(工学)に関する専門的な技術が必要な職業。新技術やソフトなどの開発に向けて仕事をする機会が多く、分野に特化した知識や技術を高め続けるための高い向上心を要する。精密さを求められる作業が多く、丁寧に仕事に向き合う職人気質が活かされると言える。
■研究者
一つのことを突き詰めていく研究の仕事では職人気質を発揮しやすい。細かなデータ分析や論理的思考が必要となる研究活動には、高い集中力も必要とされる。また、簡単に答えが出ないことに日々向き合うため、根気強い姿勢を持っていないと続かない職業と言える。
■大工
正確さや丁寧さが求められる大工の仕事。まさに職人の世界とされ、経験値がものを言うため、自身のスキル向上に向けてひたむきに努力ができる職人気質が活かされる。また、細部にこだわり、慎重に取り組む姿勢も大工の仕事をする上では大きな強みとなるだろう。
■料理人
妥協せずに完成度の高いモノづくりに取り組むことが特徴の職人気質は、料理にも活かされる。料理人は創造性を高めたり、調理技術を磨いたりと日々の自己研鑽が必要。料理人には、より良いものを顧客に届けようとする姿勢が必要とされており、日々ストイックに仕事に取り組む性質を発揮しやすい職業と言える。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部