少子高齢化が進み、様々な職種で「人手不足」が大きな課題となってきている。求職者に自社を選択してもらうため、採用方法や働き方の多様性、副業や育休などの制度を積極的に取り入れている企業も多いのではないだろうか。そこで、昨年実施した「HR白書2023」に続き「採用状況」「人材・製品・サービスコスト」「働き方」3つの観点から、現在の企業におけるHRに関する調査を実施した。
そこでアン・コンサルティングは、昨年実施した「HR白書2023」に続き「採用状況」「人材・製品・サービスコスト」「働き方」3つの観点から、現在の企業におけるHRに関する調査を実施し、その結果を「HR白書 2024 vol1~企業編~」として発表した。
2024年度入社の新卒採用で、採用した職種TOP3は「営業」「事務・総務」「エンジニア」
Q1. あなたがお勤めの企業では2024年度入社の新卒採用を実施しましたか。(単数回答、n=500)
2024年度入社の新卒採用に関わった担当者へ新卒採用活動の結果を聞いたところ、「新卒採用を実施し、実際に入社した」割合は従業員数が300名~1,000名未満、1,000名以上の企業では9割以上であるのに対して、50名未満の企業では約6割となった。また、50名未満の企業では「新卒採用を実施したが内定を出さなかった」企業が約2割あることがわかった。
Q2. あなたがお勤めの企業において、2024年度入社の新卒採用の際に情報発信で使用したものをお答えください。(複数回答、n=500)
企業では採用活動を行う際、どのような手法で情報発信を行っているのだろうか。新卒採用の情報発信において、使用したものを聞いたところ、1位「会社HP」(68.0%)、2位「ダイレクトリクルーティングサービス」(52.8%)となった。次いで、「X(Twitter)」(23.2%)、「LINE」(22.2%)という順だった。
自社サイト以外のツールで一番使用されているダイレクトリクルーティングサービスの使用企業を従業員数別で比較すると、300名未満の企業は利用割合が50%以下なのに対し、300名以上の企業は60%以上の割合で使用していることがわかった。売り手市場と呼ばれる昨今では、人材獲得における競争が激化していることにより、ダイレクトリクルーティングサービスを介して人材への積極的なアプローチを行っているのかもしれない。
Q3. あなたがお勤めの企業での2024年度入社の新卒採用において、予定していた人数を採用することができましたか。(単数回答、n=438)
Q1で「新卒採用を実施し、実際に入社した」と回答した人へ、2024年度入社の新卒採用において予定通りの採用活動ができたか聞いたところ「予定より多く採用することができた」企業は16.4%、「予定通り採用することができた」企業は48.2%、「予定より少ないが採用することができた」企業が34.0%となった。約6割の企業が予定通りかそれ以上の新卒採用ができていることがわかった。
Q4. 2024年度入社の新卒採用において、採用した(内定を出した)職種をお答えください。(複数回答、n=500)
2024年度入社の新卒採用において、採用した(内定を出した)職種を聞いたところ、1位「営業」(35.8%)、2位「事務・総務」(30.8%)、3位「エンジニア」(29.8%)となった。エンジニア採用企業を従業員数別で比較すると、従業員300名以上の企業では30%以上がエンジニアを採用していることがわかった。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査報告書」によると、2030年には最大79万人のIT人材不足が予想されている。将来に備え、早めのエンジニア獲得を求める企業が多くなっているのだろうか。
Q5. あなたの企業において、2023年10月以降に内定辞退は発生しましたか。(単数回答、n=474)発生した場合、内定者数のうちどの程度の割合で内定辞退者がいましたか。(単数回答、n=313)
Q1で「新卒採用を実施し、実際に入社した」「新卒採用を実施し、内定を出したが入社しなかった」と回答した人へ、2023年10月以降に内定辞退が発生したか聞いたところ、66.0%の企業で内定辞退があったことがわかった。「内定辞退があった」と回答した人へ、内定辞退者の割合について聞いたところ、「10%以下」が32.3%、「11~20%」が19.8%、「21~30%」が17.6%となった。
Q6. あなたの企業における新卒3年目までの離職率をお答えください。(単数回答、n=500)
新卒3年目までに退職者が発生したか聞いたところ、78.6%もの企業で退職者が発生していることがわかった。新卒3年目までの離職率については、「10%以下」が23.2%、「11~20%」が16.4%、「21~30%」が17.2%と、約2割の企業で新卒3年目までの離職率が10%以下であることがわかった。
8割近い企業で新卒3年目までの退職者が発生しているということは、働き方の多様性が進み、キャリアの選択肢が増えたことから、若いうちに転職を希望する人も多くなっているからだろうか。
Q7. あなたがお勤めの企業でのフリーランスの採用状況についてお答えください。(複数回答、n=500)
新卒採用活動を実施した企業に、フリーランスの採用状況に関しても聞いた。「昨年度フリーランスの採用を実施した」(27.0%)、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」(37.6%)と昨年の採用よりも10.6ポイントも増え、フリーランスの採用が増加傾向にあることがわかった。
また、「今年度フリーランスの採用を実施した(する予定)」企業を従業員数別で比較をすると、50名未満の企業では31.6%なのに対し、1,000名以上の企業では41.7%と、企業規模が大きくなるほどフリーランス採用について前向きな傾向であることもわかった。
Q8. あなたがお勤めの企業では2025年度入社の新卒採用予定がありますか。(単数回答、n=500)
2025年度入社の新卒採用の予定についても聞いた。全体で「新卒採用予定がある」と回答したのは87.2%で2024年度入社に新卒採用活動を実施した多くの企業で予定をしているようだ。
Q9. あなたはお勤めの企業において人員が足りていると思いますか。(単数回答、n=500)
お勤めの企業において人員が足りていると思うか聞いたところ、「一部の部署で足りていない」(53.0%)、「多くの部署で足りていない」(24.0%)、「すべての部署で足りていない」(6.2%)とあわせて83.2%もの企業で人員が足りていないことが明らかになった。
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