アドビは2024年6月13日、Adobe Acrobatの生成AI機能「Acrobat AI Assistant」の日本語版を開発中であることを発表した。提供開始時期や価格については未定。
「Acrobat AI Assistant」について
Acrobat AI Assistantは、Acrobat Reader とAcrobat のワークフローに深く統合された、生成AIベースの対話型エンジンだ。複数または長文のドキュメントから即座に要約やインサイトを生成、ユーザーからの質問の回答を通じて、利用目的(電子メール、レポート、プレゼンテーション等)に応じた文章の共有を可能にする。
PDFフォーマットは、契約書、確定申告、決算書など個人や組織が重要な情報を保持する際に広く使われている。
アドビのビジョンでは、生成AIにより、全世界の約3兆ものPDFの情報から新たな価値を引き出し、個人や企業があらゆる種類のデジタルドキュメントから素早く簡単にインサイトを得ることで、ナレッジワーカーと消費者の生産性向上を支援し、デジタルドキュメントの価値を再創造することを挙げている。
Acrobat AI Assistant日本語版では、日本語のユーザーインターフェースで日本語の文書を読み込むことができる。
同社では、さらに次のようにコメントしている。
「Acrobat AI Assistantは、アドビの人工知能と機械学習モデルを活用することで、PDFの構造と内容を独自に理解し、サードパーティ大規模言語モデル(LLM)のテクノロジーを補完しています。
アドビのAI倫理プロセスに基づき、サードパーティのLLMがアドビの顧客データに関するトレーニングを行うことを禁止しています。このため、Adobe Acrobat内の文書の内容がサードパーティLLMに学習されることはありません。
また、アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンによって、情報の引用元を生成し、情報の出所を明確にします」
Acrobat AI Assistant (英語版)の機能例
■Generative summary
PDFの内容を解析してAIが要約するもので、全体要約、セクションごとの要約をすることができる。PDF内にある情報のみを要約するため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報を提示することはない。
■AI Assistant
読み手がPDF内の情報を効率的に理解しやすくする質問をAIが作成し、その質問をクリックすることで回答を確認できる。また、自分で質問を作成して回答を得ることも可能だ。回答にはPDF内の情報の引用元が表示される。
サマリーした内容や質問と回答は、電子メールやプレゼンテーションといった利用目的に合わせて書式をフォーマットし、コピー&ペーストして活用することができる。
■英語版は2024年4月より提供
アドビは、Acrobat AI Assistantの英語版を本年4月にローンチ。Acrobat Reader、Acrobat デスクトップ版、webアプリ、モバイル版、Google ChromeとMicrosoft Edgeのブラウザー拡張機能において、月額4.99ドルからの追加のサブスクリプションで提供される。
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関連情報
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構成/清水眞希