大人のライフスタイル雑誌通販から誕生した、遊び心ある商品を取り扱う小学館の通販メディア『小学館百貨店』。
その取り扱い商品に、博物館の展示物と同等の精度を誇る生物の骨格を、独自の3Dプリント技術でクリアボディの中に再現した「玉骨標本(ぎょっこつひょうほん)」が新たに加わった。
手前より「マッコウクジラ」研磨済み小・大、「シャチ」研磨済み大、「ペンギン」研磨なし小・大
博物館から展示を依頼されるレベルの精緻な透明骨格モデル
「玉骨標本」とは、日本を代表する3Dモデラー・吉本大樹氏が考案した独自の3Dプリント技術による透明骨格モデルシリーズだ。
最新のフルカラー3Dプリンターを用いて骨格から外部形態まで一体で出力され、構造観察の有用性において生物学の世界からも非常に注目を集めており、博物館から展示物の依頼も来ているほど。またその造形の美しさからSNSでも大きな反響を呼んでいる。
吉村氏はマッコウクジラ、シャチなどの海洋生物から作成をスタートし、現在は恐竜・犬猫等生物全般の3Dモデルを作成中だ。
今回は「マッコウクジラ」、「シャチ」、「ペンギン」の3種をそれぞれ大小2種類、さらにボディ表面を研磨した透明なタイプ「研磨済み」と、3Dプリンターから出力されたままのタイプ「研磨なし」を用意。
後者は紙やすりなどが付属するので、透明に磨き上げる楽しみも味わえる。
それでは合計12種類の商品を紹介していく。
■マッコウクジラ
Mサイズ(研磨済み):7万7700円
Mサイズ(研磨なし):4万4000円
Lサイズ(研磨済み):68万2000円
Lサイズ(研磨なし):49万5000円
※全て税込価格
博物館や研究者が絶賛するよしもとアートファクトリーの超リアルな海洋生物標本「玉骨標本 マッコウクジラ」
[よしもとアートファクトリー] 玉骨標本 マッコウクジラL(研磨済み) 透明なボディの中に骨格が浮かぶこの造形物は、日本を代表する3Dモデラー・吉本大輝さんが...
写真は手前Mサイズ(研磨なし)、奥Lサイズ(研磨済み)。
サイズはMサイズ長辺150mm、Lサイズ長辺400mm。重さはMサイズ60g、Lサイズ1160g。UV硬化アクリル樹脂。日本製。
こちらは「マッコウクジラLサイズ(研磨済み)」。クリアボディの美しさに改めて魅了される仕上がりだ。研磨は吉本アートファクトリーのスタッフがひとつひとつ手作業で行なっている。
「研磨なし」タイプには研磨セットと「磨き方説明書」を同梱(写真はLサイズ用)。
この研磨セットで磨くことで標本がクリアになっていく(写真はマッコウクジラLサイズ)。所要時間はLサイズは10時間、Mサイズは6時間程度が必要。
■シャチ
Mサイズ(研磨済み):7万7700円
Mサイズ(研磨なし):4万4000円
Lサイズ(研磨済み):68万2000円
Lサイズ(研磨なし):49万5000円
※全て税込価格
研究者・博物館も絶賛する超リアルな海洋生物標本「玉骨標本 シャチL」
[よしもとアートファクトリー] 玉骨標本 シャチL(研磨済み) 透明なボディの中に骨格が浮かぶこの造形物は、日本を代表する3Dモデラー・吉本大輝さんが考案した...
写真は手前Mサイズ(研磨なし)、奥Lサイズ(研磨済み)。サイズはMサイズ長辺120mm、Lサイズ長辺300mm。重さはMサイズ40g、Lサイズ690g。UV硬化アクリル樹脂。日本製。
こちらは「シャチLサイズ(研磨済み)」の細部。歯までリアルだ。
■ペンギン
Mサイズ(研磨済み):7万7700円
Mサイズ(研磨なし):4万4000円
Lサイズ(研磨済み):68万2000円
Lサイズ(研磨なし):49万5000円
※全て税込価格
写真は手前Mサイズ(研磨なし)、奥Lサイズ(研磨済み)。サイズはMサイズ長辺81mm、Lサイズ長辺200mm。重さはMサイズ50g、Lサイズ810g。UV硬化アクリル樹脂。日本製。
「ペンギンLサイズ(研磨済)」の細部
すべての商品に見どころがわかる「解説書」が付属する(写真はペンギン)。
「玉骨標本」誕生の経緯
誕生したのは今から6年前。透明度の高いピュアクリアインクを用いた3Dプリンターによる作品の製作を、吉本氏が模索していたときのこと。
大好きな博物館で鯨の骨格標本を眺めていた際に「自分が考案した3Dプリント表現を用いれば、鯨の肉体と骨格が一体となった小さな標本が作れるのではないか」と閃き、鯨の写真や資料を集めて3Dデータを作り、製作を開始。
試作を重ねてマッコウクジラの『玉骨標本』を完成させてSNSで公開すると予想以上の大反響となり、販売を希望する声が殺到。博物館から展示物としての標本を作ってほしいという依頼も多数寄せられたという。
そんな折、偶然出会ったのが、現在『玉骨標本』の制作においてタッグを組んでいる東京海洋大学海洋資源環境学部の中村玄助教だった。
鯨類学研究を専門とする中村助教は、鯨類の形態や骨格の研究データを3Dデータに置換しようと苦心していたので、マッコウクジラの『玉骨標本』を見ていたく感動したそうだ。
その一方で、専門家として標本の肉づきや骨の太さなどに違和感をもち、それを吉本氏に伝え、それがきっかけでふたりの交流が始まり、以来、吉本氏は中村助教の監修を受けながら、より精度の高い『玉骨標本』の製作を目指してきた。
そうして完成したのがマッコウクジラとシャチの『玉骨標本』だ。細かな調整を重ねた逸品で、「標本」と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっている。
関連情報
https://lifetunes-mall.jp/shop/pages/c10_lp_bone-specimen.aspx
構成/清水眞希