アンコンシャス・バイアスへの対処法
多様性が重視される現代、アンコンシャス・バイアスの研修を行う組織が増えています。一人一人が無意識の思い込みに気付けば、風通しの良い職場環境が実現するでしょう。個人の能力が最大限に生かされ、組織としてのパフォーマンスも向上します。アンコンシャス・バイアスを克服するために、個人ができることを紹介します。
■自己認知力を向上させる
そもそもアンコンシャス・バイアスは、脳の自己防衛機能の一種であるため、完全に取り去ることはできません。しかし、自分がどのような思い込みや偏見を持っているかを理解できれば、他人への決め付けや押し付けがなくなります。
自分自身の価値観を客観的に把握することを、『自己認知』といいます。ある考えや感情が心の中に浮かんだときは、「これはアンコンシャス・バイアスではないだろうか?」と自分自身に問いかけてみましょう。メモに記録していくことで、自分の思考の癖や偏見がよりクリアになります。
■相手の意見を尊重する
自分の意見を述べる前に、相手の意見に耳を傾けましょう。例えば、『妊婦には残業をさせない方がよい』という意見は、一部の人の考えであって、本人の意向ではありません。慈悲的差別で相手のキャリアや仕事を制限しないように、本人の考えを聞く必要があります。
例えば、以下のような言葉は、アンコンシャス・バイアスから生まれます。言葉を発する前に、決め付け・押し付けになっていないかを考えてみることが肝要です。
- 〇〇すべきだ
- 普通なら〇〇だ
- どうせ無理
- そんなはずはない
相手の表情や態度を注意深く観察すれば、自分の言動がアンコンシャス・バイアスに基づくものかどうかを判断できます。表情がこわばったり、声のトーンが低くなったりしたときは、相手を不快にさせている可能性が高いでしょう。
アンコンシャス・バイアスに向き合おう
アンコンシャス・バイアスは、誰もが持っている無意識の思い込みです。それ自体は問題ではありませんが、個人の固定観念から発せられる言葉や態度によって、心が傷ついたり、生きづらさを抱えたりする人がいることを忘れてはいけません。
近年は、組織におけるダイバーシティ(多様化)が推進されていますが、職場に根付くアンコンシャス・バイアスが足かせになるケースもあります。まずは、自分にとっての常識や当たり前を認知し、客観的に見る習慣を付けましょう。
構成/編集部