インタラクティブなライブ配信サービスを提供する配信コミュニティサイト、Twitchは2024年6月7日にTwitch DJプログラムを発表した。
すべてのメジャーレーベルを含む数百の企業と業界初となる提携を実現
その背景には、視聴者は2023年に1億6,200万時間の音楽コンテンツを視聴するなど、Twitchにおける音楽の人気が高まりが挙げられる。実際、同社によれば2020年初頭以降、TwitchでストリーミングするDJの数は4倍以上に増えたという。
しかし、楽曲利用における著作権の問題により、ストリーミングのコンテンツは制限されていた。
そこでTwitchは、Universal Music Group、Warner Music Group、Sony Musicなどのメジャーレーベル、またMerlinを通してインディーズの楽曲まで、多くの企業と協力して、この問題に対処するためのプランを進めてきた。
DJが他者によって作られた音楽を利用する場合、Twitch上で得たあらゆる収益をこれらのミュージシャンと共有することが重要。
この考えには多くのDJが同意していたが、従来はそれを簡単に行なう方法が存在していなかったからだ。
■収益の一部をTwitchが預かり、音楽会社を通じてミュージシャンに支払うシステムを構築
そこで今回Twitchでは、すべてのメジャーレーベルを含む数百の企業と業界で初となる提携関係を締結。
DJのライブ配信で使用される音楽のコストを負担するために、DJチャンネルで発生した収益の一部をTwitchが預かり、代理人である音楽会社を通じてミュージシャンに支払うシステムを構築した。
これにより、TwitchのDJ配信者は、従来は著作権の問題をクリアできずに使用できなかった楽曲も、配信が可能になった。
これらのコストはチャンネルの収益化の状況に応じて異なっている。ほとんどのストリーマーでは、このコストはストリーマーとTwitchが半分ずつ、50:50で負担することになるが、当初の期間はTwitchがより多くのコストを負担する。
まだ収益化していないDJのコストはTwitchが負担するため、収益化していないストリーマーには金銭的な影響はないという。
Twitchで現在活動中のDJたちがこの新しいプログラムに適応できるように、音楽会社とそのミュージシャンに報酬を支払うことで発生する収益の差額を補うために、Twitchが1年間にわたって補助金を提供。本サービスの拡大に合わせて、補助金額は徐々に減少していく。
このプログラムは、DJとしてライブ配信を行っているストリーマーにのみ適用され、その他の音楽の利用方法には適用されない。DJは、自分のチャンネルのあらゆる配信に適用される新たな契約にオプトインする必要がある。
同社では「時々しかDJ配信を行なわないストリーマーは、DJのライブ配信専用の個別のチャンネルを作成することをおすすめします」とコメントしている。
また、Twitch DJプログラムによって利用できる項目は以下のとおりとなっている。
・安全かつクリエイティブに自分を表現できるTwitchのDJカテゴリー
・どの曲が使用できるかがわかる、ライブ配信で使用できる音楽のカタログ
・Twitchのホームページへの掲載を含む、Twitch内外でのプロモーションの機会
・DJに特化したスポンサーシップの機会
関連情報
https://blog.twitch.tv/ja-jp/2024/06/06/introducing-the-twitch-dj-program/
構成/清水眞希