多能工化の体制強化で群馬工場は男性育休取得率100%
D:他部署を知って理解する機会が豊富ですね。では育休など、「復帰しやすさ」という点ではいかがでしょうか。
渡邊:育休は満3歳未満まで、時短勤務は小学6年生の学年末まで取得できます。時短勤務は5・6・7時間から選択できます。2023年の全社の男性育休も87%の取得率です。群馬工場では、人が休みで抜けてしまっても皆で助けられる『多能工化の体制』を整え、100%の取得率を達成しました。全社で100%になるように、施策を考えています。
河井:男性育休は、まだ1週間などの短い期間が多い印象です。これをもう少し長く取得できる環境を整えていきたいというのが、次の目指すところです。会社として「まずは取ってもらうこと」を打ち出して、その次は中身の部分をもっと改善したいですね。
D:時短勤務が長期間取れるのはうれしいですね。
渡邊:すごく久しぶりに会社に復帰にされて、「新入社員の気持ちです」という先輩もいらっしゃいます。復帰時の説明会で不安をお聞きしたこともありますが、皆さん復帰後も活躍されている印象です。
河井:出産や子育てだけが直接の原因で退職する方は少ない印象です。どちらかというと、テレワークやフレックス、時短勤務も使え、柔軟な働き方ができるので、「会社に戻りたい」という方が多いです。
渡邊:部内にも1歳のお子さんがいて時短勤務で働いている方がいました。身近なところでパワフルに働いている女性がいるというのは、自分がその立場になった時にも前向きに捉えることができます。
出前授業やキャラバンカーで“レモンの健康価値”を広める食育イベントも
D:ウェルビーイング経営は、「自社の社員や従業員の健康や働きやすさ」という面と、商品やサービスを通しての「消費者の健康や幸せ」を含まれます。消費者向けにはどのような施策をされていますか。
渡邊:食育の活動は注力しており、小学校の出前授業などをしています。
出前授業では、“レモンそのもの”の健康価値を知ってもらう目的で行っています。小学生の骨の健康の重要性を知ってもらいたいので、レモンに含まれるキレート成分を知ってもらう実験をしています。キレート成分はカルシウムを吸収するために大事な成分です。実験では、牛乳(カルシウム)にレモンを垂らして、レモンラッシーにしてキレート作用を感じていただきます。気軽にキレート作用を楽しめるイベントです。また、他の会社さんにレモンを使ったイベントも行っています。
消費者向けにもウェルビーイング施策を行っているポッカサッポロ。小学校への出前授業は2023年には103校を訪問しており、その他にも料理学校とのタイアップや夏休み自由研究応援企画、科学技術館でのレモン実験教室など多岐に渡っている。
5月16日には、ポッカサッポロのレモン公式キャラクター『レモンじゃ』をあしらったキャラバンカー『レモンじゃカー』をお披露目。今後、量販店やイベント会場で『レモンじゃカー』を活用し、レモンの作用を分かりやすく説明した紙芝居や、レモンラッシーの試飲、レモンじゃとの撮影会などを通して、“レモンそのもの”の健康価値を伝えていく。
ポッカサッポロの健康経営、そして働きやすい職場作りは今後も進化していく。
取材・文/コティマム