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〝金曜15時の振り返りタイム〟で失敗を学びに変える方法

2024.06.21

仕事ができる人たちは、まず「行動する」人たちです。小さな行動実験を繰り返して、必ず振り返ります。失敗しても成功しても、週に1回は内省を行ない、勝ち筋(成功のメカニズム)を見つけていくのです。

失敗は誰にでもつきものですが、それを学びに変えることができれば、成長のチャンスとなります。今回は、失敗から学びを得るために定期的に振り返る方法、つまり、リフレクションのテクニックをご紹介します。

振り返りの習慣化には「場所」と「時間」がポイント

失敗から学びを得るためには、まず振り返りを習慣化することが大切です。習慣化のポイントは「場所」と「時間」の設定です。

私がおすすめするのは、金曜日の15時に振り返りを行なうことです。理由は2つあります。1つ目は、週末までに失敗を整理し、次につなげる原動力を作るためです。2つ目は、忙しい中でも時間を作りやすいタイミングだからです。

金曜日の15時には、資料作成やメールチェックといった作業を止めましょう。できれば、スマホやPCの使用も控えて、手帳やカレンダーに書き留めた仕事のメモなどを見ながら、今週できたことを振り返ります。失敗を思い出すのは辛いかもしれませんが、リセットするためにも立ち止まって考えることが重要なのです。

実際に、ある大手メーカーでは、金曜日の15時から30分間、全社一斉に「週間振り返りタイム」を設けています。この取り組みを始めてから、社員の生産性とモチベーションが向上し、新しいアイデアも生まれやすくなったとか。失敗を恐れず挑戦する文化は根付いてきているそうです。

脳科学的に見ても15時がベストタイミング

15時に振り返るのが最適なのは、脳科学的にも理にかなっています。朝型の人の場合、起床から8時間後の15時頃は、左脳の疲れがちょうどたまってくるタイミングです。左脳は論理的思考を司る一方、疲労感が増すにつれて、不要に深く考えすぎてしまう傾向があります。そこで、疲れた左脳を15時に休ませ、右脳を活用して直感的に振り返ることにより、冷静に自分自身と向き合えるのです。

脳科学に基づいた働き方改革を進めるIT企業では、15時から16時までを「脳リフレッシュタイム」と名付け、社員に自由な過ごし方を推奨しています。散歩やストレッチ、瞑想などで気分転換を図る人が多いとか。振り返りもこの時間帯に行なう社員が増えており、柔軟なアイデアの創出につながっているそうです。

15時の振り返りを行なう際はリラックスできる場所を選ぶ

振り返りは、できるだけリラックスできる場所で行ないましょう。普段の仕事場から少し離れた場所がおすすめです。例えば、自販機でドリンクを買いに行き、その場で1週間を振り返るのも良いでしょう。私自身、職場近くのカフェに行って、カフェラテを飲みながら内省する時間を設けていました。他人ではなく自分自身と向き合うことで、孤独な時間を有意義に過ごせます。

ちなみに、あるベンチャー企業では、オフィス内にリフレクションルームを設けています。静かで心地いい空間で、ひとりで思索にふけることができるのです。部屋の利用率は高く、社員の自主性とクリエイティビティーを高める効果があるとのこと。場所を変えるだけでも、振り返りの質は大きく変わるものです。

振り返りの時間を先にスケジュールに組み込む

週40時間以上働いている皆さんにとって、振り返りの時間を作るのは難しく感じるかもしれません。そんな時は、先にスケジュールに振り返りの時間を組み込んでしまいましょう。

OutlookやGoogleカレンダーに予定を入れておけば、ほかの用事が入りにくくなります。「時間ができたら内省する」のではなく「内省の時間を先に確保する」のです。睡眠時間を削ってはいけないのと同様、振り返りの時間も削ってはいけません。

英国に本社があるグローバル企業の日本法人では、全社員の金曜日15時からの15分間を「リフレクションタイム」とし、仕事の予定を設定できない〝共通ブロック〟の状態にしています。当然ながら会議を入れることもできません。このようなルールが、振り返りの習慣化を促すのに、功を奏しているようです。

あくまでも注目するのは自分でコントロールできる失敗

振り返りの際は、失敗を「自分でコントロールできるもの」と「コントロールできないもの」に分けましょう。前者は「変数」、後者は「定数」と考えます。法律や会社のルールのように一個人で変えられないものは「定数」ですが、自分の工夫次第で改善できるものは「変数」です。「変数」に注目し、同じ失敗を繰り返さないための方法を考えることが大切です。

ある小売業では、失敗を積極的に共有する「Failure Award(失敗大賞)」という取り組みがあります。自分の失敗とその教訓を皆の前で発表し、最も学びの多い失敗をした人が表彰されるものです。失敗を恐れずにチャレンジする社風が根付いており、イノベーションを生み出すきっかけになっています。

失敗を恐れず、むしろ学びのチャンスと捉えることで、自己成長につなげられます。他人ではなく、自分自身で己を評価し、失敗を学びに変えていきましょう。

場所と時間を決めて、今週から振り返りを始めてみてください。習慣化には少し時間がかかるかもしれませんが、振り返りを通じて、仕事の質とスピードは確実に向上するはずです。本連載におけるショートカット仕事術の本質は、このような時間の使い方にあるのです。

金曜日の15時からの振り返りタイムを大切にして、失敗を次なる成功への糧にしていきましょう。ミスを恐れずチャレンジし、振り返ることができるあなたは、ショートカット仕事術を実践できる、もう立派な〝ショートカッター〟。さあ、今週の振り返りで、どんな気づきが得られるのか。思い切って内なる自分と向き合ってみてください。

文/越川 慎司
全員が専業禁止、週休3日の株式会社クロスリバーの代表取締役社長。800社超の働き方改革を支援している。仕事のタイパを上げるオンライン講座の実施は年間400件以上。自著29冊、最新刊『最速で結果を出す超タイパ仕事術』(小学館)が好評発売中。

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