この10年でNVIDIAの株価は約200倍に。なぜ人はNVIDIAのような爆上がり株をずっと持ち続けられないのか──人気投資YouTuberたちにその理由と対策を聞いた!
もし10年前にNVIDIAの株を持っていたら……
NVIDIAの初上場は1999年1月。当時の株価はわずか0.41ドルだった。2年後の2001年にS&P500の仲間入りをした際は4.55ドルで、そこから13年の間株価に大きな動きは起きず、今から10年前となる2014年時点でもまだ4.62ドルだった。2016年頃から本格的に動きが出始め、現在では900ドル前後にまで成長している。10年前に1万ドル分の株を買って持ち続けていたら、約189万ドル(約2億9000万円)になっている計算だ。
〝次のNVIDIA〟は探すのも持ち続けるのも至難の業
NVIDIAを高騰する前から持ち続けた人はおそらくほとんどいないだろう。筆者が調べた限り、SNSで1人報告していた程度で、YouTuberはもちろんプロの投資家ですら見当たらなかった。今回取材した田端信太郎さんもロジャーパパさんも「買っていたとしても持ち続けるのは困難」と語った。
「長期保有の長期の尺度って人によって違う。しかも、長期保有の結果Zoomのように元に戻るなんてこともあるわけです」(田端さん)
多くの人は株の購入後に方針を考えがちだが、それは間違いだとロジャーパパさんは指摘する。
「投資はどこかに正解があるものだと思われがちですが、勉強すればするほど、株はわからないことばかりだと知るのです。だから何となく買って10年持ち続けるなんて不可能。横着せず、戦略を練るべきです」(ロジャーパパさん)
次のNVIDIAを探すというロマンを追い求めるも、手堅く資産運用するも個人の自由。しかし、いずれにせよ無策ではなく、方針を定めて運用するのが望ましい。
〈田端信太郎さんの教え〉
個別株投資は〝ロマン〟だとわきまえて臨むべし
そもそも投資は自分のお金でやることだし、間違いとかないんです。ただ、儲かっている人は落ち葉を掃き集めるように少しずつ勝つ。僕自身、個別株で資産運用した結果はインデックスファンドに負けていますから(笑)。個別株はあくまでロマン。そういう生き方が好きな人向けです。
ビジネスYouTuber
田端信太郎さん
ライブドア、LINE、ZOZOなどで勤めた後、オンラインサロンを立ち上げるなど幅広く活動。現在はYouTubeチャンネル「田端大学 投資学部」を運営している。
【1】腹七分目のうちに売るのもひとつの作戦
NVIDIAを持ち続けたとして、今後落ちない保証はどこにもない。例えばZoomはコロナ禍で高騰したけど、今はコロナ禍前とほぼ同程度。それなら、上がり始めた段階の腹七分目あたりで売ったほうがまだマシかな。
【2】「ポストNVIDIA」候補株を10〜20銘柄買い、下がったものから切っていく
NVIDIAのような株を最初から1銘柄だけ当てにいくなんて絶対無理。だったら、これから爆伸びするかもって思える10~20銘柄を買って、だめだったやつを切っていくほうがまだ現実的じゃないですか? ロマンの中にも戦略は必要です。
【3】買った株の購入理由をメモに書き、トイレに貼る
購入する銘柄が伸びると思った理由をメモに書き、トイレに貼りましょう。1日1回は見ますよね。その理由どおりの状態でなくなったら、剥がして売る!
田端さんの話をより詳しく聞きたい人はYouTubeチャンネル「田端大学 投資学部」へ
次のNVIDIAを探せ!DIME最新号は投資の最新トレンドが詰まった「新NISAで狙うべき急成長企業」と「音声メディア」の大特集
7月号のDIMEは「次のNVIDIAを探せ!」をキーワードに次世代の急成長企業について徹底取材! 各業界を知り尽くした業界紙編集長、専門ジャーナリスト、シンクタンク研究員などへの取材を元に国内外の知られざる優良企業や今後成長が期待できる注目企業をピックアップしました。
目先の株価に振り回されるのではなく、長い目でみた今後の成長分野・企業を読み解き、2030年に向けた投資トレンドを総括した超保存版です!
ぜひ書店で手に取ってご覧ください。