〈金融庁幹部の教え〉自分のライフプランをより良くする
〝道具〟としてうまくつきあってほしい
「新NISA制度では、枠が拡大し、再利用が可能になったので、ご自身のライフプランに合うよう活用してほしい。給与収入を補完する投資収入を得る一助になれば幸いです」(高田さん)と、人生をより良くする道具として活用してほしいと言う。ライフプランと聞くと難しく感じるが、まとまったお金が必要になるのはいつでいくら必要か? を考え、また、その時に向けていくら投資できるかから考え始めればよい。
金融庁 総合政策局
総合政策課長
高田英樹さん
東京大学法学部卒。ケンブリッジ大学法律学修士。1995年大蔵省(現財務省)入省で、2022年1月より現職にて金融庁の諸政策の企画・調整を担当。
高田さんが考える新NISA活用の心得
【1】投資に王道あり〝長期・積み立て・分散〟を軸に
「資産形成には、裏技はなく、長期・積み立て・分散という基本的な考え方が大切です。この考え方はプロの機関投資家も実践しています。また、様々な投資商品に分散し積立投資に適したインデックスファンドは投資初心者の方にも始めやすい商品だとおもいます」(高田さん)と、ライフプランの考え方にもよるが、インデックスファンドでの長期積立投資が最適解のようだ。
【2】自分が取れるリスクを理解し資産形成に生かす
ライフプランで試算した必要なお金を作るには、「リスクの理解が欠かせません。成長投資枠とつみたて投資枠とで様々な商品のポートフォリオが作れるので、長期・積み立て・分散投資をする際、自分はどのくらいのリスクを取り、その結果どの商品に投資すればよいかをしっかり考えましょう」(高田さん)。リスクのシミュレーションは証券会社のサイトなどで計算できるので、投資前に必ず計算したい。
【3】iDeCoは60歳からの年金と割り切る
「iDeCoは老後の年金制度であり、NISAはライフプランの中で活用するお金を作る制度です。税制や目的が違うので併用をおすすめします」(高田さん)。iDeCoは60歳まで引き出せない制約がある一方、NISAは自由なので、ライフプランで必要なお金をシミュレーションしながら、それぞれ積み立てる額を決めよう。特にiDeCoは「60歳時点で必要なお金はいくらか?」の切り口で計算するとよい。
取材・文/久我吉史
※掲載している情報は4月25日時点のものです。
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