成長が見込める新興国の見極めは〝労働人口〟に着目せよ!
新興国の個々の国々での成長期待度、つまり投資して利益が得られるか? はどう吟味しようか。「まずは法律や司法執行の充実度を調べましょう。その国の不安定さがわかるはずです。それを認識したうえで、若者の数や、道路や鉄道の整備状況など『経済環境』を調べましょう」(三根さん)。この助言を基に見極めの評価項目を作成した(右下掲)ので活用してほしい。またこれらの項目を基に評価したインドやベトナムへの投資は悪くなさそうだ。いずれも各国に投資できる信託があるが「資金全体の10%程度に抑えて投資するのが賢明です」(同前)。
新興国投資の成功には、インデックスのポートフォリオ構成チェックが欠かせない
個々の国への投資はリスクが高すぎるし、そこまで資金が多くないという人の選択肢になる新興国インデックス投資にはある落とし穴がある。「インデックス投資が参照する指標ポートフォリオが、ご自身が狙う新興国の国々とマッチするか確認しましょう」(三根さん)。下欄のように代表的な商品は中国の比率が高い。「中国が新興国かどうかはさておき、インデックスの中身がどんな国で、どんな割合で構成されているかが重要です」(同前)。新興国投資に限らず、投資先はどこか『目論見書』をよく確認して投資しよう。
■ 人気投信〝オルカン〟と〝新興国〟の国別構成比較
オルカンは新興国10.7%で中国やインド多め
全世界に分散投資できて人気の全世界株式(通称:オルカン)にも新興国株式が1割ほど組み入れられている。
新興国は実は中国やインドがメイン
ベトナムやインドネシア、フィリピンといった期待できるといわれている国への投資比率は僅少または皆無である。
出典:(上)eMaxis Slim 全世界株式 (下)同 新興国株式インデックス
ともに三菱UFJアセットマネジメント
■ 2大インデックスの中身比較
大きな違いは韓国の組み入れ有無と値動きが激しい小型株の有無。値動きが相対的に小さいのがよければMSCIを。
取材・文/久我吉史
※掲載している情報は4月25日時点のものです。
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