ボランティア活動の実施率は50.9%
・現在ボランティア非実施者も36.6%が今後ボランティア活動を実施したいと回答。
・ボランティア活動を行っている、もしくは行いたい理由は「社会に対して貢献したいと思うため」「社会との関わりを得たいから」「活動を通じて自分が役立っていると実感できるから」がTOP3。
調査結果まとめ〜専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江 氏
『自分は、きっと想像以上だ。』(某飲料メーカー)、『あなたのキャリアは、想像以上だ。』(人材紹介サービス)という名コピーがありますが、『50歳以上女性のキャリアは想像以上だ』というのが今回の調査から感じたこと。
予想よりも50~70代女性の社会経験と意欲は高い結果でした。驚いた数字を並べてみます。過去仕事経験率98.0%、現在の就業率48.1%、現在もしくは過去就業したことのある人の転職経験76.6%、転職平均回数2.7回。新しい仕事への意向度28.3%、ボランティア活動実施率50.9%、ボランティア活動意向度55.5%。人生を折り返しても、仕事やボランティアに積極的な態度を示しています。
しかし自由記述には、苦労話や経験が綴られました。「結婚が決まると仕事内容が補助的に」「女の子はニコニコ笑っていれば良いと上司に言われがっかり」「ポジション争いが激しくなって仲間の裏切りに心底傷つき、辞めた」「病気で休養したいと言ったら、女の子の替えはいくらでもいるから、すぐ辞めていいと言われた」など。
一方、逞しくしなやかに乗り越えた経験や仕事で得た喜びも複数みられます。「会社組織を信用しすぎるのは良くないと、自分で個人事業をスタート」「先輩方のおかげで人として成長させてもらった。多くのハラスメントのシャワーを浴びていたけど毎日が楽しかった」「最高位の方が、小さいお嬢さんの淹れたお茶は美味しい。直ぐに分かると言ってくださった。雑用でも認めていただけて嬉しかった」「毎日コツコツ英語の勉強をしていたら、外国人との交渉に参加させてもらえた。努力は必ず報われる」など。
酸いも甘いも含めた豊かな人間関係や社会経験をしてきた世代だからこそ、新たな人や社会とのつながりや学びにも前向きなのかもしれません。
現在ボランティア非実施者であっても36.6%がボランティア活動に意向を示しています。ボランティア実施の動機は仕事をする理由と同じで、「社会貢献」の他、「社会との関わりを得たい」「自分が役立っていると実感できる」からが上位。
「他者を助けてあげたい」という他人行儀な理由は10位でした。年を重ねるとより一層、「自分の喜び」と「人・社会の喜び」が重なってくるということなのかもしれません。
調査概要
調査方法/WEBアンケート
調査対象、対象者数/50~79歳の全国のハルトモ(ハルメクのモニター組織)の女性501名
調査実施日/2024年3月29日~2024年4月1日
出典 /株式会社ハルメク・エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所調べ
関連情報
https://halmek-holdings.co.jp/
構成/清水眞希