上司であれば、部下が仕事に集中して取り組み、設定した結果に到達してほしいと誰もが考えるはずです。しかしながら、「やるべきことをやらない」「手が止まっている」部下が少なからず存在し、マネジメント上の悩みの一つとなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういった部下に対して、1on1でモチベーションに繋がりそうな言葉をかけたり、飲みに連れていって励ましの言葉をかけたりすることもあるのではないかと思います。しかしながら、その後1週間くらいはやる気になって動いてくれるものの、次の週には形状記憶合金のように元に戻ってしまうことも多いのではないか推察します。
この記事では、部下の集中力を最大化させ、フロー状態に導くとともに、それを継続させるにはどのような取り組みを行うべきかを解説していきます。
集中力は何で決まるか
人は、目指すべきゴールが不明確だったり、やるべきことが整理できていなかったりすると、集中力が高まらず、「迷う」「悩む」状態のまま行動に移すことが遅れる、あるいは行動量が増えないことが発生します。このため、部下の集中力を高めて仕事の質を上げさせるためには、ゴールを明確に設定し、その到達に向けてやるべきことが部下自らイメージできる状態に導くことが肝要です。ゴールを明確に設定しても、上司側が『俺だったらこうするかな』『こういうやり方もあるよね』『これ、やってみたら?』と口出しすることを続けたりすると、部下は逆に集中できませんし、迷います。あくまでゴールを明確にした上で「やるべきこと」は部下自身に思考させる必要があります。
ゴール設定を明確に伝えるだけでは部下が動けない理由
しかしながら、ゴールを明確に伝え、途中で口出しすることをしていないにも関わらず、部下が動かないことがあります。例えば、上司が『今月新規成約3件な。頼むぞ』と部下に伝え、その部下が「分かりました」と回答したものの、月の半ばをすぎても成約1件どころか、見積書提出も1~2件にとどまっているケースを想像してみて下さい。
理由は部下の能力不足でしょうか?
・・・確かにそれもあるかもしれません。しかし、それ以上に上司が感じることは『行動量が足りない!』ということではないでしょうか?
部下は“動かない”のではなく、“目指すべきゴールがイメージできないために集中力が高まっていないケース”が大半です。ですから、ゴールに向かうための結果点(≒KPIやKDI)を設定し、一歩踏み出すためのハードルを下げてあげることが肝要です。月3件の新規成約が今はイメージできなくとも、「初週で50件のターゲットリスト作成」という結果点であればイメージできるので、集中力が高まり、動き出せるはずです。