「医薬品費」の節約術、5つ全て知っている人は1.5%
「医薬品費」の節約に効果的な節約術を5つ提示し、認知率、実践率をそれぞれ調査した。まず、最も認知率が高かったのは、「ジェネリック医薬品を選択する」で、75.8%が節約に効果的と認知している。
しかし「お薬手帳を持参する」(43.5%)や「マイナンバーカードを健康保険証として利用する」(20.0%)の認知率は半数以下で、「調剤技術料(調剤基本料)が低い薬局を探す」(7.3%)、「複数の処方箋をまとめて出す」(7.2%)は1割以下とほとんど知られていなかった。5つ全てを節約に効果的だと知っていると答えた生活者は1.5%となった。
また、実践率についても、「ジェネリック医薬品を選択する」(61.7%)は約6割が実践しているが、それ以外は少なく、認知率が1割を切る「調剤技術料(調剤基本料)が低い薬局を探す」は実践率2.0%、「複数の処方箋をまとめて出す」は2.8%とほとんど実践されていなかった[図4]。
薬局選びで重視するポイントは「場所の近さ」
薬局を選ぶ際に重視していることについての質問には、「かかった医療機関に近い」(50.5%)が最も多く以下「自宅に近い」(44.0%)、「待ち時間が少ない」(28.2%)となった。一方、節約術となる「ジェネリック医薬品を積極的に取り入れている」を重視している人は19.2%となった[図5]。
薬局の立地や形態・規模によって支払金額が異なる理由、8割以上が理解していないと回答
薬局は、立地や形態・規模によって種類が異なる。病院やクリニックのすぐ近くや医療モールの中にある「門前薬局」、大規模な病院と同じ敷地内にあり、病院とは別の事業者が運営している「敷地内薬局」、病院やクリニックの外に出ることなく薬を受け取ることができる「院内薬局」などがある。
このような種類があることを知っていたかどうかを聞くと、「薬局に種類があることを知っていて、立地や形態、規模による種類の違いであることも理解している」と答えた人が20.5%、「聞いたことはあるが、立地や形態、規模による種類の違いであることまで理解していなかった」が32.8%となり、薬局に種類があることを認知している人(53.3%)と「知らなかった」(46.7%)と答えた人はほぼ半々だった[図6]。
実はこの薬局の種類の違いにより、同じ処方薬でも受け取る際に支払う金額が異なる。薬局の種類の違いを認知している320人にこのことを知っていたかと聞くと、45.3%は「知らなかった」と答え、「金額が異なることを知っていて、その理由も理解している」と答えたのは15.0%となった[図7]。
「調剤明細書」を「毎回」チェックする人は17%
処方薬を受け取る際、処方薬とともに支払う金額の内訳がわかる「調剤明細書」が渡される。この明細書を読んでいるかを尋ねたところ、「毎回読んでいる」と回答した人は17.2%しかおらず、約4割(37.0%)は「調剤明細書を知っているが、読んでいない」(28.8%)、「調剤明細書を知らない・わからない」(8.2%)と回答している。
[図2]で「医薬品費」の節約を意識していると答えた人では、38.1%は「毎回」、45.2%が「時々」調剤明細書をチェックし、節約を意識している人の83.3%が目を通していると答えている[図8]。