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人事担当者300人に聞いた「人事部の課題」、最も多かったのは?

2024.06.07

2. 人材育成・組織開発を推進する上での課題は?

8割以上の人事部が「人材育成・組織開発」を今後取り組みたいテーマ(課題)として考えていることがわかったが、人材育成・組織開発を推進する上でどのような課題があるのだろうか。

300名以下企業では「現場社員の現業が忙しく、育成に割ける時間(育成施策を受ける時間)がない」と回答した割合が61.3%と最も高くなった。次に「人材育成・組織開発を推進するメンバーの知識が不足している」が59.3%、「人材育成・組織開発を推進するメンバーの人手、時間が不足している」が58.2%と続いた。

301名以上企業では「部署によって育成への意識や取り組みに差がある」と回答した割合が75.3%となった。この割合は300名以下企業よりも21.2ポイント高く、最大の差となった。以下、「現場社員の現業が忙しく、育成に割ける時間(育成施策を受ける時間)がない」が73.2%、「人材育成・組織開発を推進するメンバーの人手、時間が不足している」が70.1%と続いた。(図4)

3. 育成環境の課題、「人材要件・教育体系の整備」と回答する割合が最大

さらに、育成環境の整備について、どこに課題を感じるか質問した。

300名以下企業では、「人材要件・教育体系の整備」が48.5%と最も高く、以下「評価制度の見直し」が41.6%、「キャリア開発の仕組みづくり」が39.0%と続いた。

301名以上企業では、「人材要件・教育体系の整備」が61.8%と最も高く、300名以下企業と同様の結果に。次に、「キャリア開発の仕組みづくり」が59.8%、「社員満足度の向上」が52.9%となった。

従業員数関係なく、人材要件・教育体系の整備に最も課題を感じていることがわかった。(図5)

4. 最も注力して取り組みたい育成階層は「次期管理職」。301名以上の企業は7割を超える結果に

最後に、特に注力して取り組みたい育成の対象を質問した。

300名以下企業では、「次期管理職」が61.9%と最も高く、以下「中堅社員全般(25歳~35歳かつ役職がついていない社員)」が60.6%、「リーダー(現場でプロジェクト等を推進する役割をもつ社員)」が56.3%と続いた。

301名以上企業では、「次期管理職」が74.5%と最も高く、その割合は300名以下企業よりも12.6ポイント高くなった。次に、「中堅社員全般(25歳~35歳かつ役職が付いていない社員)」が58.8%、「既任管理職」が57.9%となった。(図6)

■ALL DIFFERENT株式会社 CLM(最高育成責任者)による考察

今回の調査では、企業規模により人材育成の課題が異なることが明らかになりました。300名以下の企業では、現場の社員が多忙で育成に時間を割けないのに対し、301名以上の企業では、部署ごとの育成意識や取り組みに差があることが問題となっています。

300名以下の企業では、現場社員の忙しさが育成の大きな障壁となっています。この障壁を乗り越えるためには、短時間で効果的な育成プログラムの導入に加え、全社的に育成の優先順位を上げることが求められます。育成の時間を確保できないことにより、将来的に人と組織の成長が鈍化するだけでなく、キャリアに対する不安から社員の離職に繋がる可能性があります。そのため、経営陣を巻き込み、全社的な意識改革を進め、育成の重要性を全社員に共有することが必要です。

一方、301名以上の企業では、部署ごとの育成への取り組みに差があることが課題です。この課題に対処するためには、全社の育成の仕組みを整えることが重要です。調査結果にもありました「人材要件・教育体系」の構築・運用は仕組みの代表格であるため、当然取り組んでいただくことを推奨いたします。併せて、各部署に育成推進メンバーを設置し、人材育成部門とのコミュニケーションルールや育成施策の運用ルールを明文化することも必要です。これにより、一貫性のある育成施策が実施され、全社的な育成方針の統一が図れます。

以上の施策を通じて、企業はそれぞれの規模に応じた育成の課題を克服し、全社的な人材育成の推進と、人的資本経営の実現に寄与できると考えます。

●根本 博之(ねもと・ひろゆき)氏
ALL DIFFERENT株式会社
組織開発コンサルティング本部
シニアマネジャー
開発室 室⾧CLM(最高育成責任者)

出典:ラーニングイノベーション総合研究所「人事部の実態調査(人事の課題編)」

構成/こじへい

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