販売・サービス系、フード系の直近6カ月の前年同月増減率は4~5%と高止まりで推移
上表の2023年度の増減率を職種大分類別に見ると、フード系が最も高く+4.5%(47円増加の1,086円)、次いで販売・サービス系が+3.6%(38円増加の1,090円)となった。前年同月増減率で見ると、特にフード系は5%を超える月もあり、コロナ禍前に比べて高水準、かつ、他職種と比較して大きく上昇していることも特徴だ。
販売・サービス系、フード系が増加している理由として、アフターコロナで外出機会が増えたことで、ファストフードやアパレル販売、化粧品販売の需要が高まり、人材不足が進んでいることが挙げられる。また、インバウンド需要の回復でホテルフロントなど宿泊関連業務の平均時給も上昇している。
過去7年分の職種別(宿泊関連/物流関連/看護師・介護福祉士/保育士)募集時平均時給の推移(全国)
宿泊関連業務は、インバウンド需要で時給も上昇傾向。早朝や深夜などの特定の時間帯で人材が集まらず、時間を限定して求人募集を行う傾向も見られる。
需要が増加した物流関連業務では時給も上昇。物流ドライバーの労働時間が制限される物流2024年問題の影響もあり、企業はドライバー業務の一部切り出しや配送ルートの効率化など工夫を行っている。
看護師・介護福祉士は、国民の約3人に1人が65歳以上となる2025年以降を見据えて時給も上昇傾向。
保育士は、コロナ禍におけるテレワークの増加などにより、需要が高まり時給も上昇。アフターコロナで一時的に低下したものの、保育士不足に伴い再度上昇傾向に。2024年の配置基準変更により、今後時給への影響が見込まれる。
出典:リクルートグループ
構成/こじへい