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最近よく聞く「心理的安全性」って何のこと?

2024.07.21

「心理的安全性」という言葉の意味をご存知だろうか。

組織やチームが「マネジメントがうまくいかない」「人手不足で困っている」といった「人」に関する課題を抱えていることは珍しくなく、こうした課題を解決するカギとして、昨今話題になっている概念だ。

職場の心理的安全性は離職率や組織のマネジメントと大きく関係しており、Googleが調査結果を発表したことでビジネス分野において注目されるようになった。そこで本記事では、職場における心理的安全性の意味や離職の原因・心理的安全性を高めるための方法を解説しよう。

心理的安全性とは

まずは、心理的安全性という言葉の意味や、多くの企業で使われるようになった理由を解説していこう。

■心理的安全性の概要

「心理的安全性」とは、組織やチームがアイデア・質問・懸念・自分の考えや意見を自由に発言できる状況を意味する。従って心理的安全性が高い組織やチームでは、失敗しても批判や罰を受ける心配なく、安心して行動できる。

心理的安全性という概念はハーバード・ビジネス・スクール教授であるエイミー・エドモンドソン氏が1999年に提唱した概念である。2012年にGoogleが心理的安全性についての調査・研究を始め、その結果、心理的安全性が組織やチームの生産性・創造性・イノベーションそして、様々な人の幸福度にとって重要であることが知られるようになった。

■心理的安全性が低い職場のリスクと例

一方で心理的安全性が低い職場は様々なリスクを抱えている。そこで代表的な4つのリスクと具体例を紹介していこう。

職場の創造性やイノベーションが阻害される

失敗を恐れる職場ではメンバーが自由に意見を言えず、新しいアイデアが出にくくなる。また、チャレンジやリスクを取ることを避けるようになり、イノベーションが生まれにくくなる。

例えば、業務改善や新たな取り組みを提案をしても否定されるため、提案を控えるようになる。また、ミスをすると叱責されるため、リスクを冒して新しいことに挑戦することを躊躇することなどが挙げられる。

問題解決能力が低下する

心理的安全性が低い職場は、メンバーが罰や叱責を恐れて問題を隠したり誤魔化したりする傾向にある。このような職場は問題の本質が分からず適切な解決策を導き出せない。また、メンバー間の協力が得られず問題解決が遅れたり、問題が悪化する可能性が高くなる。

具体的には、メンバーがミスを隠すので問題が放置され、その間に状況が悪化していく。また、問題について意見を言いにくい雰囲気のため建設的な議論が行われず、解決策が見つからないなどが挙げられる。

意思決定の質が低下する

様々な意見が尊重されない職場では、メンバーが自分の意見を言えず、偏った情報に基づいて意思決定が行われる可能性が高くなる。結果、間違った判断を下し、組織に損失を与えるリスクがある。

例えば、上司の意見に反対する意見を言いづらく、上司の意見だけで意思決定が行われる職場や、異なる意見を持つメンバー同士が対立し、議論がまとまらない職場はこのケースに該当する。

メンバーの意欲やモチベーションが低下する

心理的安全性が低くチャレンジを評価しない職場では、メンバーが自分の意見やアイデアを活かすことができず、仕事への意欲やモチベーションが低下する。結果、生産性の低下や離職率の増加につながる。

このように、心理的安全性が低い職場は、組織やチームにとって多くのリスクを抱えている。しかし、リーダー(上司)とメンバー(部下)が協力して心理的安全性を高めることによって創造性・イノベーションを促進し、問題解決・能力・意思決定の質を向上させ、メンバーの意欲やモチベーションを高め、離職率を低下させることができる。

※出典:労働局「心理的安全性に基づくパワーハラスメント防止対策」

心理的安全性が高いと意識も高まる?

心理的安全性と目標意識は、どちらもチームや組織にとって重要な要素で、この2つは密接に関係しており、互いに高め合う効果がある。そこで、心理的安全性を高めるための方法を解説していこう。

■心理的安全性と目標意識

心理的安全性を知るためには4つの不安要素について理解し、心理的安全性を高める方法を理解する必要がある。そこで、それぞれのポイントを紹介していこう。

心理的安全性を下げる不安要素

・無知だと思われる不安=不明点を質問しない

質問や確認をしたくても「こんなことも知らないのかと思われないか」と不安になり、その結果、気になることがあっても質問しづらくなってしまう。

・無能だと思われる不安=能力不足やミスを隠す

ミスや失敗した時に「仕事ができないと思われるのでは」と不安になり、自分の失敗や弱点を認めることができなかったり、ミスを報告しなかったりするようになる。

・邪魔をしていると思われる不安=発言を控える

自分が発言することで「話の邪魔をしていると思われないか」と不安になり、提案や発言をしなくなっていく。

・批判していると思われる不安=否定的な意見をしない

改善を提案したくても「他の人の意見を批判していると否定的に捉えられるのでは」と不安になり、現状の批判をしなくなったり、意見があっても言わなくなったりする。

心理的安全性を高める方法

心理的安全性を高める方法は主に以下の5点である。特に目的意識を高めることは心理的安全性を高めるために重要な要素であるので、詳しく紹介していこう。

・メンバーが意見を言いやすい環境を作る
・質問を歓迎する
・ミスを責めず、学習の機会と捉える
・メンバー同士が互いを尊重し、協力できるような関係性を築く
・目標意識を高める

心理的安全性を高めるための目標設定

心理的安全性を高めるためには、目標を設定して達成し、承認することが効果的である。従って、適切な目標設定を行うことが重要なポイントである。目標が高すぎるとメンバーが挑戦することを諦めてしまい、目標が低すぎると達成感を感じられない。適切な難易度の目標設定できるかどうかが心理的安全性を高めるために重要といえる。

また、メンバー全員が目標達成に関与できるように役割分担を行い、目標達成に向けて進捗を共有し、進捗するたびにメンバーを褒めることもポイントだ。そして目標を達成したら盛大に祝うことも心理的安全性を高めるためには必要である。

適切な目標設定を行い、目標達成と承認によって心理的安全性を高めていこう。

■心理的安全性と職場満足との関係

心理的安全性の高い職場では、職場満足度が高くなる傾向がある。その理由としては、

メンバーが自由に意見を言え、質問できるため、仕事にやりがいを感じられること。ミスを恐れずにチャレンジできるため、成長を実感できることが挙げられる。

これによりメンバー同士が互いを尊重し、協力し合えるため、良好な人間関係を築ける。上司から信頼され、評価されていると感じられるなどの職場満足度に直結していく。職場満足度が高いと、メンバーの仕事への意欲やモチベーションが高まりストレスを感じにくくなる。またワークライフバランスが良好になり、長く働き続けたいと思えるようになっていく。

このように、心理的安全性を高めることは、職場満足度の向上や離職率低下につながるため、マネジメントに悩みを抱えている場合には、積極的に取り組むことをおすすめする。

心理的安全性を高めることがチームや組織の成長に繋がる

心理的安全性とは、組織やチームで自分の考えや意見を自由に発言できる状況を指す。心理的安全性が低い職場は、組織やチームにとって多くのリスクを抱えているが、リーダー(上司)とメンバー(部下)が協力して心理的安全性を高めることによって創造性・イノベーションを促進し、問題解決・能力・意思決定の質を向上させ、メンバーの意欲やモチベーションを高くし、離職率を低下させることができる。

心理的安全性と目標意識は、どちらもチームや組織にとって重要な要素で、この2つは密接に関係しているため、リーダーは心理的安全性を高めることに積極的に取り組むことをおすすめする。周りを変えることは簡単ではないが、自分が変われば徐々に周りも環境も変わっていく。そのためには、まず第一歩を踏み出そう。

文/太田 佳祐(おおた けいすけ)
人材系企業にて求人広告の営業や人材紹介部署の立ち上げやマネジメントを経験。転職し、新規事業部門にて新事業の立ち上げや採用業務に従事したのちに独立。2021年に政治分野のハラスメント対策を行う法人を立ち上げ、2023年にフリーランスの事業を法人化。プロスポーツチームや自治体、企業や個人の目標達成を伴走型でしながら、ライターとしての執筆や講演活動も行っている。国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、採用コンサルタント、アンガーマネジメントファシリテーターなどを所有。

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