GfK Japanは、全国のコンタクトレンズ・眼鏡専門店の販売実績データ等を基に、2023年のカラー・サークルレンズ販売市場動向について発表した。
コロナ禍とカラー・サークルレンズ市場
カラー・サークルレンズ市場(※)は、新型コロナウイルス感染拡大による外出機会の減少で販売量が大幅に落ち込むなど、他のレンズタイプと比べても多大な影響を受けた。
※コンタクトレンズ小売市場のうち、コンタクトレンズ専門店および眼鏡専門店(インターネット販売を含む)が集計対象
その動きは2021年まで続き、行動制限が全面的に解除された2022年にようやく需要回復が見られ、市場は成長。金額ベースでは二桁成長を記録している。
その後、2023年においては前年比0%の約290億円となった(図1)。前年を上回ることはなかったものの、2022年と同水準を維持した。
■シリコーンハイドロゲル素材製品の拡大
眼の健康に良いとされる、シリコーンハイドロゲル素材の新製品発売が続いている。従来のハイドロゲル素材よりもプレミアムな素材・価格としてクリアレンズでは一般的な素材となっているが、カラー・サークルレンズ市場ではまだその規模は小さく、製品数も少ない。
一方で、人気製品シリーズから新たにシリコーンハイドロゲル素材のタイプが発売されるなど、製品のラインアップ拡大の動きが見られている。
素材別の金額構成比を見ると、ハイドロゲル素材が主流であることは変わらないが、徐々にシリコーンハイドロゲル素材の構成比が増加している(図2)。カラー・サークルレンズにおいても定着していくのか今後が注目される。
■モダリティにおける動向
足下では2週間使い捨てタイプの縮小が見られている。これは主要メーカーで同タイプの製品の販売終了が続いたことが背景としてある。
2023年の2週間使い捨てタイプにおける金額前年比を見ると、39%減と大幅に落ち込んだ。一方で、人気シリーズの新製品発売もあって1か月交換タイプのカラー・サークルレンズは2024年で好調に転じている。
構成/清水眞希