企業と求職者をつなぐビジネスSNSの『Wantedly』。創業者の仲暁子氏は小学生の頃からWebサイトを立ち上げ、ゴールドマン・サックス退社後は漫画家を目指し、ついにはFacebookで働きつつ起業したエネルギッシュな人物だ。そんな彼女には自分自身を理解したうえでの習慣があった。
遊びは「消費」でなく「生産すること」を選ぶ
ウォンテッドリー代表取締役CEO
仲 暁子(なか・あきこ)
1984年生まれ。京都大学卒業後、ゴールドマン・サックスに入社。退社後は漫画家を目指し、2010年にFacebookに入社し、同年ウォンテッドリーを起業。その後、業績を伸ばし、2016年にはForbes Japanの「この人が凄い!」アンケート10位に選出された。
Rule.01|迷ったら考えるより動く!
Rule.02|深く考える時間を作る
Rule.03|週1度は「社会と事業を俯瞰で見る」
──子供の頃からサイトをつくったり、漫画家を目指したりしたことが起業につながったのですか?
影響はあるかもしれません。小学生の頃、テレビもマンガも禁止でおもちゃもなかったんです。すっごい暇、みたいな(笑)。次第にテープレコーダーを使ってラジオ番組をつくったり、「アキコの部屋」みたいなホームページをつくったりし始めました。その頃から、私にとって遊びは「消費すること」でなく「何か創ること」だったんです。「習慣」というより、それしかなかったんですが(笑)。
──高校時代から留学されたり、ゴールドマン・サックス退職後、まだ有名でなかったFacebook(現Meta)に入社されたり。その行動力の源が気になります。
人は環境に依存するので、もともと、海外に身を置いてみたい、とは思っていました。Facebookで働くきっかけは、本当にたまたま得たものです。母の赴任先の北海道に住みながら自分でサイトをつくった時、それを売り込みたくてスタートアップカンファレンスがないかググってました。すると偶然、札幌であったんですよ。ところが完全招待制だったから、通訳のボランティアとして応募してみたんです(笑)。そしたら参加できることになって、Facebookの人と出会えたんですね。
連絡したい人がいても、メールを送る時「面倒と思われるかもしれない」とためらったりするじゃないですか。でも、そこを考えすぎず手を動かすと、大切な出会いがあったりするのかも。
──その行動力は事業でも生きていますか?
そう思います。事業って最初は思いつきで始めて、その中からお客さんがお金を払ってでも解決したい課題にピボット(業務領域の絞り込み)していく人が多いじゃないですか。私もその結果、「採用」に行き着いていますから。