赤字覚悟の変わり種商品も企業の魅力の一つとなる
たしかな技術力で「バカな製品」をつくり、「バカな製品」のおかげで腕が磨かれクオリティも向上しているカクダイ。
ただ、「ユニークな蛇口」に関しては大赤字との噂も。。。
「ですね。売れれば売れるほど赤字であることは事実です。しかし、赤字でも続けるだけの大きな付加価値があることがユニークな蛇口の開発を続けている理由です」
「設置していただいている飲食店などでは、お客様の目を引くアイキャッチとしての役割を果たしており喜んでいただいています。弊社としては、SNS等で話題になることでカクダイを知っていただくきっかけになりますし、より面白い商品を開発しようと、部署間を超えて試行錯誤することで社内の活性化・技術力の向上にも繋がっています」
では、何がカクダイの経営を支えているのか?それは、蛇口の下のアレ。
「カクダイの主力は、床や壁の中にある配管とそれらを接続するための部品です。洗面台の下にある排水管などが例として挙げられます」
さらに、豊富な商品展開といかなるシチュエーションでも対応可能なオールラウンダーの精神。
「水回りのトラブルは大問題になりかねないため商品の適合性が重要になってきます。弊社はそういったデータを多く持っており、国内製・海外製問わず対応できる部品も数多くご用意しています。さらにカラーバリエーションも豊富にそろえているので、蛇口と器だけでなくその下の配管部分までトータルコーディネートすることができるんです」
とにかく守備範囲が広く、他社には手出しできないニッチな商品も取り揃えている。それはまさに、すべてのアイテムが揃った無双状態のようなもの。だから、面白い。だから、話題になる。
――貴社の展望を教えてください。
「1年程前から、ユニークさがありつつ日常使いもできるお洒落さも兼ね備えたデザインの蛇口を作り始めました。例えば、「OPUS」シリーズのスタンドライト型水栓はテーブルランプのような見た目が特徴的ですが、色合いや質感も相まってお洒落なバーなどのお手洗いにお洒落に使っていただくこともできるデザインになっています」
「ユニークなだけではないニッチなデザインの商品を増やすことで、お客様が作りたい空間に合わせた提案をできるよう極めていきたいと考えています」
先に紹介した話題のカタログは年々分厚くなっているという。そこには、おもしろ蛇口だけでなく、様々なサイズのネジやパイプなどが所狭しと載っている。
「困ったときはカクダイ」
そう言われる日も間近…いや、そんな日がもう既に来ているのかもしれない。
取材協力
株式会社カクダイ
文/ 太田ポーシャ