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「できますでしょうか」は二重敬語?覚えておきたい正しい使い方と言い換え表現

2024.07.05

「できますでしょうか」という言葉を、丁寧に表現しなければと常時用いる癖がついていないだろうか?低姿勢なことが相手には伝わりやすい言い回しだが、受け手にとっては首をかしげられることも実はある。

本記事では、そんな「できますでしょうか」は正しい敬語なのか、また表現を正した言い換えを解説していく。

例文や類義語での表現も見ていくことで、理解が深まり正しい使い方ができるようになるので、ぜひ最後までチェックしてほしい。

「できますでしょうか」は正しい敬語?

「できますでしょうか」は、結論として正しい敬語ではない。同じ種類の敬語表現が重複するため理想的な言い回しではないが、現代では一般的に使われているのも事実だ。

そもそもなぜ正しいと言えないのか?これより、その理由を解説していこう。

■二重敬語となっている

一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」と言う。

「できますでしょうか」がなぜ二重敬語になるのかは、それぞれを分解して意味を調べるとわかる。

 まず、「できる」の丁寧語は「できます」になるが、辞書も確認してみよう。

 「できる」に丁寧の「ます」をつけた表現。相手に対して、自分にその能力があることなどを表明する際などの表現。

引用:weblio辞書(実用日本語表現辞典)

 もう1つの「でしょうか」は、「だろうか」の丁寧語なので同じ種類の敬語が重複してしまう。なお、「だろうか」は物事や人の心を推し量る意味合いを持つ。

 このように「できます」と「でしょうか?」が二重敬語にあたり、賛否両論を生んでいたわけだ。

■使用している人も多くいる

「できますでしょうか」は二重敬語にもかかわらず、ビジネスシーンでは多く使用されている。

どうして不適切なのに使われているかは、日本人のマナーを重んじる習慣が背景にあるといっても過言ではないだろう。

 心情を察すると、「無礼のないよう丁重に接しなければ」という過剰な心配り、ほかには緊張から敬語を重ねてしまった場合が主といえるだろう。

 このような背景から「できますでしょうか」という表現は当たり前に交わされているため、ビジネスシーンでは「暗黙の了解」として許容されているわけだ。

 もちろん相手によって不快感を示す可能性もあるので、まずは言い換えを、あとは相手を見て使うなど対策は講じておきたい。

「できますでしょうか」の使い方・例文

「できますでしょうか」は、ビジネスパーソンが主に使う言葉だ。

ここでは業務の際に使える例文を紹介するが、「できますでしょうか」のほか言い換えも加えたので、早速見ていこう。

■お願いを加えたパターンでの例文

「お願いできますでしょうか」として活用できる例文は以下の通り。

 ・お忙しいところ恐縮ですが、折り返しの電話をお願いできますでしょうか(言い換え:お願いしてもよろしいでしょうか)。

・現地での立ち合い後、お手数ですが工事担当への意見のお伺いもお願いできますでしょうか(言い換え:意見をお聞かせ願えないでしょうか)

「お願いできますでしょうか」を言い換えたい場合は、「お願いしてもよろしいでしょうか」などがいいだろう。二重敬語にならないよう、工夫しながら言葉を使おう。

■交渉シーンにおける例文

交渉シーンでも使える、「できますでしょうか」の例文は以下の通り。

 ・ご多忙の中恐れ入りますが月末までに納品できますでしょうか(言い換え:可能でしょうか)。

・ご無理を承知の上で恐縮ですが、わずかながらの値下げはできますでしょうか(言い換え:応じていただけますか)。

「お願い」以外でも、ご覧のようにバリエーションを持つことが可能だ。ただし交渉時では例文のような、手前にひと言を添えて丁重な姿勢から入るのを意識したい。

■「できますでしょうか」を使う際の注意点

「できますでしょうか」を使う際は、口頭あるいはメールをはじめとした文書のどちらかがキーポイントになる。

まず口頭の場合で、相手方が言葉尻をとらえる「間」もないほど多忙なら、詮索のないまま会話は続くだろう。

一方、メールだと、じっくり11文を見られている可能性があるため、「不適切ではないか」と貫かれることもあるわけだ。。

ただ、言葉1つで慎重に身構えることはパフォーマンスを落としかねないため、気にしてしまうならいっそのこと言い換え表現を選んだ方が良いだろう。

「できますでしょうか」の類義語

「できますでしょうか」には、正しいとは言い切れない要素があるのはわかったはずだ。そこで、二重敬語にならない類義語を2つ紹介していこう。

■「申し上げます」

「できますでしょうか」の類義語「申し上げます」は、二重に見えるくどさを削ったスマートな言い換えだ。

「申し上げます」を分解したら「言う」の謙譲語が「申し上げる」で、「ます」が丁寧語になる。

続いて「お願い」を付け加えると「お願い申し上げます」になるが、文書で見る機会も多いのではないだろうか。なお、相手先企業の担当者や、社内の上司にも「お願い申し上げます」は使いやすい。

■「ご教示いただけますか」

「できますでしょうか」を「お願いできますでしょうか」にした時、使うシーンは教えを請う際にも使える。

しかし二重敬語が腑に落ちない場合もあるので、そのようなシチュエーションでは「ご教示いただけますか」を使ってみよう。

「ご教示」は情報を相手に伝える行為を指す言葉だ。上司が部下に業務のやり方を指導する際にも用いられるが、ビジネスのみならず師匠と弟子の間柄でも使えるため便利である。 

 二重敬語の「できますでしょうか」は要所で使い分けよう

「できますでしょうか」は、「ます」と「でしょうか」の丁寧語が合わさる二重敬語だった。しかし相手を尊重するあまりの表現なので、無礼という印象は与えない。

ただ、言葉を知らないというイメージダウンも与えかねないため、できれば言い換えを選びたいものだ。二重敬語にならない言い換えも覚えたところで、早速今日から使ってみてはいかがだろうか。

文/shiro

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