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「遠慮させていただきます」は、断る際に使う言葉として一般的に理解されている。意味は通じるが、用法として正しい表現なのかという疑問もある。
本記事では、「遠慮させていただきます」の意味とその正しい使い方を解説する。例文や注意点、類義語も紹介するので、最後までご覧いただき、使い方をマスターしてほしい。
「遠慮させていただきます」の意味とは?
「遠慮させていただきます」は、相手の要望に対して断る際に使う言葉だ。「遠慮」について辞書を引いたので、その意味を以下で確認していこう。
1 人に対して、言葉や行動を慎み控えること。「—なくいただきます」「年長者への—がある」「この部屋ではタバコは—してください」 2 辞退すること。また、ある場所から引き下がること。「せっかくですが出席を—します」「君は—してくれ」 引用:デジタル大辞泉(小学館) |
「行動を控える」という意味の「遠慮」は、「控えさせていただきます」を「遠慮させていただきます」と解釈できる。
一方、「辞退」を例にすると、出席予定を「遠慮させていただきます」と辞退する意味になる。
■「遠慮させていただきます」は正しい表現?
「遠慮させていただきます」は二重敬語ではないかという疑問もある。
しかし、「遠慮」は敬語ではなく「名詞」であるため、「遠慮させていただきます」は正しい表現として成り立つ。
「遠慮させていただきます」の使い方
「遠慮させていただきます」は、「断りの言葉」や「辞退の表明」などに使える。ビジネスシーンでもプライベートでも活用できるので、以下の例文を見ていこう。
■断る意を込めたシーンでの例文
「遠慮させていただきます」で、体よく断りを入れる際の例文が以下の通り。
・身内以外に対しては保証人になるつもりはないため、遠慮させていただきます。
・下戸ですので、申し訳ありませんが、お酒は遠慮させていただきます。
ご覧のように、「遠慮させていただきます」はビジネス以外でも、男女共通で使用できる。また、挙げた例文は現地で口頭で断る際に便利な言葉だ。
■辞退の意を込めたシーンでの例文
「遠慮させていただきます」で、用件の辞退する際に使う例文は以下の通り。
・代表の許可が下りなかったため、申し訳ありませんが、遠慮させていただきます。
・協力させていただく予定でしたが、人員に不足が出たため、今回は遠慮させていただきます。
ビジネスにマッチする使い方だが、人員不足の場合はボランティアも含め、仕事以外でも活用できる。
「遠慮させていただきます」を使う際の注意点
「遠慮させていただきます」を使う時は、付け加えとフォローに気をつけなければならない。以下に注意点を2つ挙げるので、チェックしてほしい。
■必ずひと言を添える
「遠慮させていただきます」を使う時は、必ずひと言添えるようにしよう。
ひと言とは、自分にとって外せない用事などの理由を補足することだ。「法事が入っておりますので、この度は遠慮させていただきます」といった形で理由を伝えると良い。
もちろん用事に限定されないので、例えば妊娠中の女性が「参加したい所存ですが、妊娠中のため遠慮させていただきます」といった形で酒席を断る際にも使える。
■アフターフォローを欠かさない
「遠慮させていただきます」を使って断った際、フォローが欠けていることもある。
とある案件を「遠慮」して断ったあと、重要性が高い内容であれば後日にお詫びをするのが礼儀である。
例えば、「先日はせっかくのお心遣いをいただいたにもかかわらず、申し訳ございませんでした」といった謝罪を入れると良い。