素晴らしい音響設備の中で細かな表現の違いも感じてほしい
――内山さんは映画観賞がもともと好きだと聞いています。劇場で鑑賞するに当たり、期待して欲しいことは?
何といっても素晴らしい映像です。『デデデデ』は本当に映画館で観るべき作品になっていると思います。母艦や兵器の描写をはじめ、大きなスクリーンで観ることに適したシーンがとても多い。大迫力の映像を、ぜひ映画館で観ていただきたいです。
――音響面ではいかがでしょうか。
映画館って、ほかの余計な音が遮断された状況で鑑賞できるので、セリフだけではなく、息遣いなどのより細かい表現まで、受け取っていただけると思うんです。
僕は演じる際に「テレビだから」「映画だから」といって演じ方を変えるわけではないのですが、やはり映画館のようにいい環境で観てもらえるほうが、細かい表現を皆さまに感じ取っていただけるという安心感があります。そういう意味でも、映画館で観ていただける作品というのは、演じる側からしても、やりがいがあると思います。
信頼できる友達がいることがピンチを乗り越えられる鍵になる
――本作品では「いつ何が起こるかわからない」という設定があります。こういう「何かが起きるかもしれない」という状況に備えて、内山さんが日頃から心掛けていることはありますか?
物語の中で、門出とおんたんは2人で支え合って、何とか危機的状況を生きていこうとしますよね。そして、高校の仲良しグループ5人が、何の理由もなく集まるというシーンが輝かしい青春として描かれています。こういった関係性って、とても重要だと思うんですよね。
趣味でもいいし、学校の友達でもいいんですけど、社会人になっても、仕事に関係ない人間関係が続いていることで、いろいろと〝風通しがよくなる〟こともあるのかな、と。現に僕には、高校時代から続いている友人グループがあります。みんなで会えるのは年に数回なんですけど、定期的に連絡を取り続けているんです。
仕事をしていると、関わることが多くなるのは、どうしても近しい業界の人になりがちです。けれど、仕事や業界に関係ない友達との交流があると、物の見方が狭くなりにくいかなと思うんですよね。それによって「何か」が起こった時に、視野を狭めないことにもつながるかなと。
友達の仕事の話を聞くと「それぞれ、いろいろな事情がある」とわかって、ハッとすることも少なくないですね。
――門出やおんたんを見ながら、大切な友人に思いを馳せるのも、本作の楽しみ方と言えそうですね。ありがとうございました。
※内山昂輝さんのインタビューはVol.2に続きます
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』
公開中
(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出と“おんたん”こと中川凰蘭。学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた。非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメイトに悲劇が起こる。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
公開中
配給/ギャガ
(C)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、 会長の尾城先輩がいるオカルト研究部に入部してキャンパスライフが始まった。一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。世界の終わりへ向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する……。
取材・文/田村菜津季 撮影/園田昭彦 編集/田尻健二郎