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帳票は、会計事務で使用する書類「帳簿」「伝票」の総称で、組織における会計を行う際には必須のもの。
本記事では帳票の意味や役割に加え、帳票の種類を解説する。帳票の保存方法についても紹介するので、会計や経理を担当している方はぜひ参考にしてほしい。
帳票とは
帳票という言葉を耳にしたことはあるものの、具体的な説明を求められると困ってしまう方も少なくないだろう。まずは、帳票の基本的な意味や役割を確認しよう。
■帳票の意味
帳票は「帳簿」「伝票」の総称で、いずれも組織における会計を行う上での重要書類。帳簿は会計事務を行う上で必要な事項を記入する書類を指し、取引の内容をまとめる主要簿と補助的に使われる補助簿に分類される。伝票は売上や取引の内容を記入する書類を指し、帳簿作成の資料や、過去の取引の証拠として使われる。
■帳票の役割
帳票は決算書を作成する際の必須書類だ。貸借対照表や損益計算書も帳票を参照しつつ作成する。また、帳票をもとにした会計処理は自社の事業状況を把握するためにも有用。帳票類を適切に管理・作成することは事業を円滑に進める上で重要な事項といえる。
近年では電子帳簿保存法によって帳票をデータとして保存することが認められ、帳票出力ツールを用いた電子化も進んでいる。
■帳票の保管方法
帳票は作成後、一定期間保存する義務がある。基本的には7年間の保存、欠損金が生じた事業年度の場合には10年間の保存が必要。
帳票を保存する際には紙もしくは電子データで保存する。電子帳簿保存法は自分が作成した帳票に関する電子帳簿等保存、紙の帳票をデータに変換するスキャナ保存、電子的な方法で取引された帳票を保存する電子取引に区分される。
このうち電子取引にあたる帳票の電子保存は義務となる。メールやクラウドサービスでやりとりした帳票、Webページからダウンロードした帳票などが電子取引の対象だ。
電位取引以外の帳票についての電子保存は任意であるため、紙か電子データのうち管理のしやすい方法を選択しよう。
■帳票の英語表現
帳票を英語で表現する際は「ledger」で、日本語では「レジャー」と発音する。「用紙」という意味の「sheet」と組み合わせて「ledger sheet」と表現することもある。
【例文】
Transaction details are recorded in the ledger.
(取引内容は帳票に記載する)
帳票に含まれる書類の例
次に、帳票を種類別に紹介しよう。帳簿はさらに主要簿と補助簿に分類される。
■主要簿
帳簿のうち、主要簿に含まれるのは以下の2種類。主要簿は会社法によって作成が義務付けられているため、企業活動では作成必須だ。
仕訳帳
仕訳帳は日付順に取引の内容を把握し、キャッシュフローの把握をするための帳簿。複式簿記では借方と貸方に分けて記録を行い、両者の金額が一致するように作成する。後に紹介する総勘定元帳を作成する際も仕訳帳を参照しつつ作成するため、特に重要な帳簿といえるだろう。
総勘定元帳
総勘定元帳は勘定ごとの取引内容を把握するための帳簿。仕訳帳に記載した内容を参照しつつ、勘定別に並び替えて転記する。キャッシュフローを勘定科目ごとに確認できるため、仕訳帳よりも経営判断を行う際の資料として使いやすいのが特徴。
■補助簿
補助簿は主要簿の内容を補助する目的で記載する帳簿。ここでは、補助簿の中から使用される機会の多いものをピックアップして紹介する。
現金出納帳
現金出納帳は取引の発生順に入金や出金を記録する帳簿。日々のキャッシュフローを把握するために有用。
売掛帳
売掛帳は売掛金を記録する帳簿。取引先ごとに売掛金の把握をしたい場合に便利。
仕入帳
仕入帳は品物の仕入れに関する情報を記録する帳簿。品物の単価や返品処理といった詳細に記録する。
売上帳
売上帳は品物の売上に関する情報を記録する帳簿。総勘定元帳でも売上の記録は行うが、売上帳では売上数や単価などをより詳細に記録する。
■伝票
伝票は取引内容の日時や内容を明確に記録するための書類。代表的な伝票としては、以下のようなものが挙げられる。
入金伝票
入金伝票は品物の販売等を通じて得た現金を記入する伝票。取引の内容を一目で確認できる。
出金伝票
出金伝票は品物の購入等を通じて支払う現金を記入する伝票。入金伝票と同じく取引の内容を確認しやすい点がメリット。
振替伝票
振替伝票は現金以外の出入金を記録する伝票。銀行振込や手形取立の場合などは出入金伝票ではなく振替伝票を利用しよう。
仕入伝票
仕入伝票は仕入の内容を記録するための伝票。小売業をはじめとした仕入れを行う機会が多い場合に使用される。
売上伝票
売上伝票は売上が発生した際に記録する伝票。現金以外の取引、特に売掛金が発生する取引で多く使用される。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部