会社を設立する際、資本金をいくらに設定するのがよいのでしょうか?
会社の資本金の額は、会社の信用力やコストに影響を及ぼします。資本金の額が多いこと、少ないことのメリット・デメリットを正しく理解して、適切な資本金の額を設定しましょう。
1. 資本金が多いことのメリット・デメリット
会社の資本金の額を多く設定することには、信用力が高まるメリットがある反面、課税上不利になる、コストがかかるなどのデメリットがあります。
1-1. 資本金が多いことのメリット|信用力が高まる
資本金は、会社の規模や信用力などを示す指標の一種です。
資本金の額が多ければ、金融機関や取引先などの信用を得やすくなり、事業拡大や会社の成長の観点からプラスに働くことがあります。
1-2. 資本金が多いことのデメリット|課税上不利になる、定款認証手数料が高くなる
会社の資本金の額が多いと、税金との関係で以下のようなデメリットが生じます。
・資本金の額が1,000万円以上の場合、消費税の免税事業者でいることができない
・資本金の額が1億円を超える場合、法人税の軽減税率が適用されない
・資本金の額が1億円を超える場合、外形標準課税が適用される
など
特に、1期目および2期目で消費税の免税を受けたい場合には、資本金の額を1,000万円未満に設定すべきでしょう。
また、会社設立時に公証役場へ支払う定款認証手数料は、資本金の額によって以下のとおり変化します。
資本金の額を多く設定すると、定款認証手数料が高くなる点にご注意ください。
2. 資本金が少ないことのメリット・デメリット
資本金の額が少ないことのメリット・デメリットは、資本金の額が多い場合と表裏一体です。
2-1. 資本金が少ないことのメリット|課税上有利になる、定款認証手数料を抑えられる
資本金が少ないことのメリットとしては、消費税の免税をはじめとして課税上有利になる場合がある点や、定款認証手数料を抑えられる点などが挙げられます。
資本金の額を100万円未満とすれば、売上によって消費税の免税事業者でいられることに加えて、定款認証手数料を最低額の3万円に抑えることが可能です。
2-2. 資本金が少ないことのデメリット|取引先などの信用を得にくい
資本金の額が少なすぎると、経営基盤がしっかりしていない会社という印象が付きまとい、取引先などの信用を得にくい傾向にあります。
取引先からの信用獲得を重視する場合には、ある程度資本金を高めに設定することが望ましいでしょう。