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急増するランサムウェアの被害、身代金を要求された時の対処法と予防策

2024.05.27

身代金を支払うべき理由とリスク

身代金を支払うべきか否かは、ランサムウェアに感染した際の最も難しい決断の一つです。多くのセキュリティ専門家や法執行機関は、身代金の支払いに反対しています。

そこで以下では、身代金を支払うことの潜在的な利点と、それに伴うリスクと問題点を深堀りしていきます。

■支払うことで得られるメリット

まずは、支払うことで得られる潜在的なメリットから解説します。

・即時の問題解決

身代金を支払う主なメリットは、即座に問題が解決する可能性がある点です。特に重要な業務データが暗号化された場合、迅速な解決はビジネスの中断を最小限に抑え、重大な財務的損失や顧客との信頼関係の損失を防ぐことができます。

しかし、これは短期的な解決策であり、長期的なセキュリティ対策の欠如につながる可能性がある点を理解することが重要です。

・データ復旧の可能性

もう一つのメリットは、データの復旧可能性です。ランサムウェア攻撃によって暗号化されたデータは、重要な情報や個人データを含んでいることが多く、これを取り戻すことは企業にとって至上命題となります。

身代金を支払うことで、攻撃者が解除キーを提供し、データを元の状態に戻すことができる場合があるでしょう。ただし、全てのケースでデータが復旧されるわけではなく、支払いが成功する保証はどこにもありません。

■支払うことのリスクと問題点

ここでは、支払うことで発生するリスクについて解説します。

・再攻撃の可能性

身代金を支払う最大のリスクは、再攻撃の可能性です。一度支払いを行うと、その組織は攻撃者にとって「支払いが見込めるターゲット」としてマークされる可能性が高いです。

これにより、同じ攻撃者または他の犯罪者による二次的な攻撃のターゲットになることがあります。さらに、支払いが攻撃者を助長し、他の無関係な組織が同様の攻撃のリスクにさらされることにもつながります。

・法的・倫理的問題

身代金の支払いは、法的および倫理的な問題を引き起こすこともあります。多くの国では、身代金を支払うことが法律で禁止されている場合があり、また、犯罪を助長する行為とみなされることがあります。

倫理的には、身代金を支払うことで犯罪行為を資金提供し、他の潜在的な犯罪に対するインセンティブを与えてしまうことになるのです。これは、長期的に見てサイバー犯罪の増加につながる可能性があり、その結果、より多くの企業や個人が被害を受けることになるでしょう。

身代金を支払わない場合の対処法

ランサムウェアによる攻撃に直面した際、身代金を支払う代わりに採ることができるいくつかの効果的な対策があります。ここでは、2つの方法を解説します。

■データバックアップの重要性

データバックアップは、ランサムウェア攻撃に対処する上で最も基本的かつ効果的な手段の一つです。定期的なバックアップは、重要なデータを安全な場所に保存し、攻撃があった場合でも迅速にビジネスを再開できるようにするための保険となります。

具体的には、オフラインまたはクラウドベースのバックアップソリューションを使用して、すべての重要なファイルが定期的に複数の場所に保存されるようにすることが推奨されます。これにより、攻撃者が一箇所のデータにアクセスしたとしても、他のバックアップが保護され、業務の継続性が保たれるでしょう。

また、バックアップのテストを定期的に行い、実際にデータを復元できることを確認することが重要です。このプロセスを通じて、組織はデータ損失のリスクを軽減し、ランサムウェア攻撃の影響を最小限に抑えることができます。

■プロのセキュリティ会社との協力

ランサムウェア攻撃に効果的に対応するためには、プロのセキュリティ会社と協力することが重要です。これらの会社は、最新の脅威情報、高度な防御技術、そして事故発生時の迅速な対応を提供してくれます。

セキュリティ専門家は、組織のネットワークとシステムを定期的に監査し、脆弱性を特定して修正することで、攻撃を未然に防ぐのに役立つでしょう。また、万が一ランサムウェアに感染した場合には、これらの専門家が技術的なサポートと指導を提供し、データの復旧とシステムの安全な再稼働を支援します。

セキュリティ会社と緊密に連携することで、組織は最先端のセキュリティ対策を導入し、ランサムウェアのリスクを大幅に低減することが可能となります。

結論

ランサムウェア攻撃に対する身代金の支払いは、多くのリスクと問題点を伴うため、基本的には避けるべきであることが明らかになりました。身代金を支払うことは一時的な問題解決に見えるかもしれませんが、これが再攻撃の誘因となり、また法的なリスクを高めることもあります。したがって、攻撃への対応としては、事前の準備と予防策が最も効果的です。

最終的に、ランサムウェア対策は単に技術的な問題だけでなく、組織全体のセキュリティポリシーと緊密に結びついています。ランサムウェアのリスクを真剣に受け止め、適切な予防策を講じることが、安全で持続可能な運営の鍵となります。企業や組織は、サイバーセキュリティの強化を優先事項とし、継続的な教育と技術の更新を通じて、この絶え間ない脅威に対処する準備を整えていきましょう。

文/長谷川貴之

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