控えめな予想だが上振れ要素もあり賃上げ効果の浸透や企業改革の進展で株高基調は継続へ
2024年度の慎重な業績予想は、海外の景気減速による需要減の見方、成長投資や人件費、研究開発費の増加計画、業績予想の前提となる想定為替レートの実勢よりも円高方向への設定、が主因と考えられる。
企業の2024年度の業績予想は、現時点で日本株を積極的に買う材料にはなりにくいように見受けられるが、過度に悲観する必要はないと思われる。
現時点で、2024年の世界経済が大きく減速する恐れは小さく、また、成長投資などは先行投資であると考えられ、控えめな想定為替レートは、相場次第ではあるものの、輸出企業の業績上振れ要因となり得る。
この先は、賃上げ効果の浸透や業績の走り具合で、業績予想の上方修正余地を探ることになるが、同時に資本効率改善やガバナンス強化など、企業改革の着実な進展が確認できれば、日本株が上昇基調を維持する公算は大きいと考えられる。
◎個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
構成/清水眞希