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人と話すとき、なかなかうまく会話が続かないと悩んでいる人も多い。そのために職場でのコミュニケーションがスムーズにとりにくかったり、ご近所さんや習い事などのプライベートなシーンでも会話が盛り上がらなかったりすると、気まずい空気になることもある。今回は、会話が続かない人の特徴と、その解決方法を紹介する。
会話が続かない人の特徴
まずは、どのようなタイプの人が、会話が続かないのかを確認してみよう。
■苦手意識が強い
まず、話すことが苦手と思い込んでいるタイプは、話す前に身構えてしまい、その緊張感が相手にも伝わり、お互いに会話しにくい状況を作ってしまっている。人見知りで、初対面では相手の目を見ることもできないという場合もあり、表情から気持ちが伝わりにくくなっている。
■感情が表情に現れない
会話は、キャッチボールのため、相手が楽しそうにしていると、話している人も楽しめるが、無表情で何を考えているかわからないと、「この人退屈しているのかな」と感じたり、「話を聞いているのかな」と不安になったりする。
無表情な人は、話しかけられることが減ってしまい、より会話のチャンスがなくなってしまう。マスク生活が長かったこともあり、口を大きく開けるという機会が減り、表情の変化が少ない人が増えているように筆者は感じている。
■自己中心的な話をする
会話が続かない原因の中には、自分勝手に話し過ぎることで、会話自体が続かないことがある。会話は、キャッチボールだ。一方的に話をしたり、相手が話そうとする途中で遮って結論を先回りするなど、自己中心的な話の進め方では、相手は快く思えない。相手の話をいきなり否定するのも、会話が続けにくくなる要因になる。
■話し相手に興味がない
基本的なことだが、相手に対して興味がないと、当たり障りのない話だけで済ませようという心理状態になり、当然、会話が盛り上がらず、続かなくなる。興味があるふりをすればいいだろうと思っても、そんな小細工は、表情などふとしたことからすぐにばれてしまい、相手もつまらなくなって会話が終わってしまう。
■沈黙がこわい
会話には区切りがあるため、多少の沈黙は存在するものだが、そのわずかな沈黙がこわくて、なにか話さなければと焦ってしまう。一度そうなると、次から次へと話題を提供しなければと、さらに焦る状況に。沈黙を作ってはいけないと考えすぎると、会話の内容よりもそちらに気が向いてしまい、本末転倒になってしまう。
会話を自然に続けるためのポイント
職場や友人関係でも、メールやSNSの多用により会話の機会が減っているとはいえ、気負わず会話ができたほうが、ストレスに感じることも減るだろう。自然に会話を続けるコツを紹介しよう。
■相手の言葉に反応する聞き上手を意識する
まずは、自分から何かを話そうとするのではなく、聞き上手を目指してみよう。相手が話していることに、相槌や質問などをすることで、いつの間にか会話が続けられる。
大切なのは、相手に興味を持つということ。相手をより知りたいと思うことで、質問も自然に浮かぶようになる。相手の言葉に反応し、話すスピードや声のトーンを合わせると、相手もより安心して話しやすくなる。
■共通点を見つけて適度な自己開示を
自分自身との共通点が見つかると話が盛り上がりやすい。例えば、休日は、スポーツをしていることや、映画好き、〇〇のファンや出身地など、同じであることを見つけられれば、情報交換会に発展することもある。
相手の趣味を尋ねるなら、「実は、最近ヨガを始めたんです」など、適度な自己開示を行うことで、心を開いてくれているという安心感から、共通の趣味ではなくても、始めた理由などで会話が続くことになる。
共通点探しは、あってもなくても、お互いのことをより知るためのきっかけにできる。あくまでも話題の主人公は自分ではなく相手であることを意識することで、自己中心的な話になることを防ぐことができる。
■5W1Hで話題を広げる
自然に会話をしている人は、5W1Hを意識せずに活用している。「Who(誰が)・What(なにを)・When(いつ)・Where(どこで)・Why(なぜ)」は、相手が発したひと言から、話題を広げるために意識したい。
例えば、「このあいだ〇〇のコンサートに行ったんです」との返事に、「へえ~、そうなんですね」と言われてしまうと、楽しかったことを話したかったのに、それ以上会話が続かなくなります。
「いつ行ってきたんですか」「どこで開催されたのですか」「なぜ〇〇のコンサートに行くことになったのですか」と聞いてみると、会話が広がりやすくなる。
■会話のネタを仕込んでおく
会話上手な人は、物知りでもある。博学である必要はないけれど、さまざまなジャンルの事がらに興味を持って、初対面でも話題にできるネタを持っている。
いくつかのネタを事前に仕込んでおくことは、自信につながるため普段から意識しておこう。むずかしい内容ではなく、スポーツや音楽、その日あった出来事など、ちょっとしたことで多くの人が共感してくれるネタがおすすめ。
■リアクションは大きめに
コミュニケーション能力が高い人は、なるべく会話を盛り上げたいと考えている。そのため、相手の話をしっかり聞き、表情豊かに、ときにはオーバーリアクションで答えてくれるため、話すほうも話しやすくなる。
しらじらしいリアクションはNGだが、驚きや楽しいと感じたときは、素直に表情に出すことを意識しよう。表情って、自分が思っているほど大きく変化していないことが多いため、自分の中で思いっきり感情を出すイメージでちょうどいい。
また、どうしても緊張しすぎてリアクションできない場合は、緊張していることを素直に伝えよう。相手に誤解される心配が減る。
会話は、キャッチボールで生きもの。同じ会話は存在しないし、一度、放ってしまった言葉は取り戻せない。だからこそ、相手に興味を持って、自分の思いをきちんと伝えることで信頼関係を築き上げることもできるだろう。まずは、減ってしまっている話す機会を増やすことから始めてみてはいかがだろう。
文/林ゆり