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「応相談」という言葉を、メールや資料を通じて見たことが1度はあるだろう。
本記事では詳細な応相談の説明と、類似する「要相談」や「別途相談」の違いについて解説をしていく。正確に理解し覚えられるよう、例文・注意点・言い換えについても言及するのでぜひ最後までご覧になってほしい。
「応相談」の意味とは?
「応相談」は、相談に応じる体制があることを指す言葉だ。辞書も引いてみたので、以下で意味を確認してみよう。
相談に応じること。別途、相談によって内容を決めること。求人などで多く用いられる。 引用:実用日本語表現辞典 |
単に相談に応じるだけではなく、のちに内容を決定するという連動した意味合いがあった。具体的には求人欄の枠内に「応相談」という形で掲載されていることが多い。
「応じる」「相談に」といった形で、繋げて解釈をすれば、「応相談」は難解な要素は1つもないことが確かだろう。
しかし「要相談」「別途相談」とは?と問われれば悩むケースも見られるため、引き続いて違いを見ていきたい。
■「要相談」との違い
「必要」「必須」の、必ずという要素が加わるのが「要相談」だ。個人の裁量では決定できかねない事柄に対し、絶対に相談をしてほしいという強い意味合いを持っている。
一方の応相談は、「あなたの必要に応じて要望をお聞きします」という意味合いになるので、より強調して必ず相談を望んでいる時に使おう。
■「別途相談」との違い
「別途相談」は、「別の扱い」の意味を持つ表現だ。「別途」は、「消費税は別途」としてよく見るケースだが、相談がつくため「別途相談に応じます」という形で人事が使うような口頭でも会話に用いられる。またスマートに「交通費は原則支給。詳細は別途」という表現も可能だ。
したがって詳しい話を聞きたい場合、別の機会を設けて伝えるというニュアンスがある。違いとして、「応相談」には近しい意味合いがあると覚えておこう。
「応相談」の使い方
「応相談」は、求人広告での活用が最も使いやすい。ただ、バリエーションを持つためにも「求人」以外の例文も以下で紹介しよう。
■求人で人材を募集する際の例文
「応相談」で、入社日と勤務日をテーマにした例文は以下の通り。
・清掃契約社員の募集(入社日は応相談)
・勤務は基本3交代制。その他については応相談。
入社日は面接後の調整を伴うため、応相談とすればニュアンスがきちんと伝わる。勤務は交代制が原則でも、人材を強く欲している場合が考えられるだろう。
そこで応相談と表現することによって、イレギュラーも検討する意思も伝達可能だ。
■サービスを提供する側が使う際の例文
求人と関連がない人も当然多いため、「応相談」をサービス提供者が含めた場合の例文も見ておこう。
・コースはディナーでのご提供です。貸し切りについては応相談。
・追加のイラストはオプション料金の通り。掲載枚数で上限を超える場合は応相談。
貸し切りは予約表の人数確認が要されるため、応相談としておくと詳細は電話でというニュアンスで伝わりやすい。
2番目は個人で販売業を営む者が、商品欄に記載する時に使える。想定を超える大口注文があった場合には、便利な活用ができるのでないだろうか。
「応相談」を使う際の注意点
「応相談」は簡略化した表現になるため、必ず丁寧な補足が要される。ここでは以下に紹介する、2つの注意点について見ていこう。
■文字数を削った表現であることに留意
「応相談」は、文字数をカットした表現なのが特徴的だ。誌面やWebでの求人広告には、枠のサイズが定められている。
よって、何文字以内に収めるといった、購読者に伝えていない諸事情があるわけだ。仮に得意先とのやり取りで、「応相談」を使うと相手からそっけない印象を持たれかねない。
略語だというのを念頭に置き、求人関連以外で使う場合も「相談には応じられます」と丁寧に記載するように注意したい。
■自分よりも立場が上の人物に使わない
相談に応じられる体制を「応相談」というが、簡略化しているために使う相手には注意しなくてはならない。
当然ながら敬語表現ではないため、上司に使ったなら叱責される可能性もある。実例的なものを挙げるとして「親睦会は予定通りの会場で開催します(タクシーの手配については応相談)」としていたなら失礼と思われてしまう。
「数社が使えるのであれば、メール本文にタクシー会社を順になぜ記載しないのか」という悪印象を与えかねないわけだ。
文章を書くことに手を抜いていると思われないため、丁寧・詳細な記載を心がけよう。