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「五月雨式に申し訳ございません」とは、物事が続いてしまったことへの謝罪の気持ちを表現する言葉です。ビジネスメールで用いることが多いため、目上の方に用いて良いのかなど、使い方をしっかりと確認しておきたい表現でしょう。
この記事では、「五月雨式に申し訳ございません」や「五月雨式」の意味、語源、使い方・例文、返信のポイントを解説します。あわせて、類語・言い換え表現も確認しましょう。
「五月雨式に申し訳ございません」とはどんな表現?
「五月雨式に申し訳ございません」は、ビジネスメールやチャットで多く用いる表現です。言葉の意味を知らないと、相手からこのようにメールで伝えられた際に、文字を見ただけでは読み方や意味が理解しにくい表現ではないでしょうか。
■だらだらと続く物事への謝罪を表す表現
とくに読み方がわかりにくい部分である「五月雨式」は、「さみだれしき」と読みます。
五月雨(さみだれ)とは、梅雨のことを表し、雨が長く続く様子から、「いつまでもだらだらと続くこと」を例えた表現としても使われます。
このことから、「五月雨式に申し訳ございません」とは、「物事が続いてしまったことに対する謝罪」を意味します。メールで何回も連絡したときなど、「何度も何度もすみません」と相手に伝えたい場合に用います。
「五月雨式に申し訳ございません」と伝えることで、謝罪だけではなく、物事が連続してしまい、相手に面倒をかけてしまったことを気遣う気持ちも表せます。
「五月雨式に申し訳ございません」の使い方
それでは、「五月雨式に申し訳ございません」の使い方を簡単に例文で確認しておきましょう。
■使い方と例文
【例文】
・五月雨式に申し訳ございません。先ほどご連絡した内容に関連する資料をお送りいたします。
・五月雨式のご連絡になり、申し訳ございません。
「五月雨式に申し訳ございません」は、ビジネスシーンで目上の方に使用可能な表現です。こちらの都合で情報をまとめられず、何度も連絡してしまったメールの冒頭に付け加えることで、丁寧な印象を与えることができるはずです。
また、「五月雨式に」ではなく「五月雨に」と表現した場合にも、同様の意味で使用されています。ただし、「五月雨式に」としたほうが一般的な表現です。
また、「五月雨式」の使い方は謝罪の言葉との組み合わせだけではありません。たとえば、「五月雨式で問題ございません」「五月雨式で結構です」「五月雨式に納品いたします」などと用いることもあります。
■使用する際の注意点
使用する際の注意点は、以下のとおりです。
・「五月雨式」自体には謝罪の意味が含まれない
……謝罪の意味で伝える場合には、「申し訳ございません」などの言葉をあわせて用いる。
・「五月雨式に」自体は敬語表現ではない
……目上の方に使用する場合には、前後に敬う表現をつけると良い。
・話し言葉よりも書き言葉に向いている
……話し言葉としても使えるものの、やや堅苦しく不自然な印象になる恐れがある。
相手と対話するシーンでは、「度々のご連絡」などへの言い換えを検討すると良いでしょう。
■「五月雨式に」とついた連絡に返信する際のポイント
相手からメールなどで「五月雨式に申し訳ございません」と伝えられた場合の返信のポイントは、以下のとおりです。
・「五月雨式に~」には、返信が必要な場合と不要な場合がある
・返信が必要な場合は、対応を催促する内容であるケースがある
「五月雨式に申し訳ございません」は、相手からの返信を待たずに連絡したいときなどにも用いられる表現です。この言葉自体には、返信をしなくても良いでしょう。
返信が必要で対応を催促されている場合は、「〇日ごろまでに確認いたします」「本日中に確認させていただきます」などと伝えます。
「五月雨式に納品いたします」などの連絡では、相手が複数回にわたって何かをおこなうことを理解しておきましょう。「内容を確認し、改めてご連絡します」などと伝えれば、その都度返信する必要はありません。
「五月雨式に申し訳ございません」の3つの類語・言い換え表現
「五月雨式に申し訳ございません」と言い換えられる似た意味の表現も、あわせて確認しておきましょう。
1.五月雨式に失礼いたします
2.度々(たびたび)申し訳ございません
3.立て続けに申し訳ございません
「五月雨式に」に似た表現には、これらのほか「続けざまに」「断続的に」「ひっきりなしに」「矢継ぎ早に」などがあります。ただし、ニュアンスが少々異なる、少し軽い印象になるなどの違いがあるため、言い換えには注意が必要です。
それでは、類語・言い換え表現の意味などを解説します。
1.五月雨式に失礼いたします
「申し訳ございません」の部分を言い換えた、「五月雨式に失礼いたします」という表現もよく使われている表現です。「五月雨式に申し訳ございません」と同様に、相手への気遣いや謝罪の気持ちを伝えられます。
ただし、「失礼いたします」は「申し訳ございません」よりも軽く、挨拶のようなニュアンスがあります。しっかりと謝罪したい場合には、「申し訳ございません」と伝えましょう。
■2.度々申し訳ございません
「五月雨式に」は、「度々(たびたび)」と言い換え可能です。度々とは、物事が繰り返しおこなわれる様子を指します。
度々は日常生活でもビジネスシーンでも使いやすく、話し言葉としても書き言葉としても使える汎用性の高い表現です。物事の間隔が長く空いたときにも使用可能な点が、「五月雨式に」とは異なります。
■3.立て続けに申し訳ございません
「五月雨式に」は、「立て続けに」とも言い換え可能です。立て続けにとは、同じこと、または似たことが間を置かずに続けておこなわれることを指します。
なお、立て続けには、時期が近くて連続した物事に対して使用する表現です。「間を置くことなくすぐに」というニュアンスが強くなる点を理解して、うまく使い分けましょう。
「五月雨式に申し訳ございません」を適切な場面で正しく使おう
「五月雨式に申し訳ございません」は、物事が続いてしまったことに対する謝罪を伝える表現です。日常的な会話よりも、ビジネスのメールなどでよく用いられます。
使用する際は、「五月雨式に」自体には謝罪の意味がないこと、話し言葉よりも書き言葉に向いていることなどを理解しておきましょう。言い換えをする際は、「度々(たびたび)」や「立て続けに」などに変更可能です。
言葉の意味や使い方、使用する際の注意点、言い換えられる表現などをあらためて確認し、適切な場面で使い分けられるようになりましょう。
構成/chihaya